简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:ズームは、役員にストックオプションを付与することで税額を3億ドル削減し、実効税率は0.8%になった。
Zoomのエリック・ユアンCEO(中央)。
Kena Betancur/Getty Images
アメリカのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは2021年会計年度に6億6390万ドルの税引前利益を上げたにもかかわらず、連邦法人税が発生しなかった。
アメリカ証券取引委員会に提出された納税申告書によると、同社は重役にストックオプションを付与することで3億200万ドルの節税をした。
これは合法的なものだが、バーニー・サンダース上院議員などから、このような抜け道をなくすよう求める声が再び上がっている。
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)は、パンデミックから最大の恩恵を受けた企業の1つとなっている。何百万人もの人々がビデオ通話でつながりを保つようになったからだ。
同社のアメリカ国内における税引前利益は、前年度は1630万ドル(約18億円)だったが、2021会計年度(1月31日締め)では6億6390万ドル(約723億円)に上った。しかし、2020年の法人税率が21%だったにもかかわらず、Zoomは連邦法人所得税を支払っていないことが、3月19日に公開されたアメリカ証券取引委員会(SEC)に提出された納税申告書で明らかになった。
Zoomの広報担当者はInsiderに対し、事業を展開している各国で適用される「すべての税法を遵守している」と述べている。さらに「通信技術を構築・強化するための研究開発活動に多額の投資を行っており、この活動は現在の法律下で特に奨励されている」とも述べた。
しかし、控除額のうち、研究開発費が占めたのはわずか1%にすぎず、約99%は役員に支払った株式報酬費用だった。その金額は2020年度の3210万ドル(約35億円)に対し、2021年度は3億240万ドル(約330億円)に上った。
2021年度、Zoomのトータルの納税額は570万ドル(約6億2000万円)で、実効税率は0.8%だった。だがそのうち390万ドル(約4億2500万円)は同社の海外事業の利益1410万ドルに対してだ実効税率約28%で課税されたものだ。このことはアメリカの税制には企業の扱いに大きな矛盾があることを浮き彫りにしている。
Zoomが役員へストックオプションを(合法的に)付与し、税負担を軽減していることに対し、議員などからの批判が再燃した。彼らは、巨額の収益を上げる企業が、何百万人ものアメリカ人よりも少ない納税額であるという事態を解消するために、このような抜け穴を塞ぐべきだと主張している。
「あなたが月額14.99ドル(約1600円)のZoom Proのプランを契約している場合、Zoomの連邦法人税よりも多くの金を支払っていることになる。Zoomは2021年度に前年比4000%増となる6億6000万ドルの利益を上げたにもかかわらずだ。そう、富裕層と権力者を利する不正な税制を終わらせる時が来たのだ」とバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は3月21日にツイートした。
「役員にストックオプションを付与する企業は、実際のコストをはるかに上回る莫大な金額を税務上、帳消しにできる」と、税・経済政策研究所(ITEP)のシニアフェロー、マシュー・ガードナー(Matthew Gardner)は、Zoomの税務戦略を解説したブログで述べた。
「これは、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)など、すべての大手テック企業が、過去10年にわたって効果的に活用してきた戦略だ。Zoomがストックオプションを利用して節税に成功していることは、驚くべきことでも、(現時点では)違法でもない」とガードナーは述べた。さらに同社は加速償却や研究開発費も利用して節税しており、「アマゾン(Amazon)やネットフリックス(Netflix)が、トランプ政権下の法人税制で税負担軽減に利用して成功した戦略と同じだ」と付け加えた。
アマゾンも納税を回避したことで、サンダース上院議員らの怒りを買っている。さらに、アマゾンやデルタ航空(Delta Airlines)、IBM、ジェットブルー(JetBlue)、ネットフリックスなど多くの企業は、マイナスの実効税率さえ達成している。これは、企業の納税額よりも、納税者が公的な補助金を通じて企業に支払った税金の方が多いことを意味している。
ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、法人税率の28%への引き上げを提案している。これは、現在の税率よりは高いものの、トランプ前大統領が就任する前の35%よりは低い。しかし、税率を引き上げただけではZoomなどの企業が納税を回避する抜け道をなくせない。
ジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官が提唱するグローバル・ミニマム税率を各国が採用すれば、企業が低税率の国を求めて出ていくことがなくなるだろう。また、バイデン大統領は、トランプ政権下では可能だった利益を海外に移して納税を回避するという抜け道をなくすことを計画しており、それらは企業に対する実効税率の引き上げに貢献すると考えられている。
もっと知る
コロナ禍のアメリカでは、ビリオネアが資産を44%増やし、8000万人以上が失業していた
もっと知る
バイデン政権、富裕税導入の可能性も…いずれにせよ、富裕層や企業は増税に直面する
[原文:Zoom paid $0 in federal taxes on $664 million in pandemic profits, mostly by paying executives stock options]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
Advertisement免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。