米経済学者が　エルサルバドルのビットコイン導入は「経済を完全崩壊」と警告

アメリカジョンズ・ホプキンス大学（Johns Hopkins University）の応用経済学教授であるスティーブ・ハンケ（Steve Hanke）氏*が、エルサルバドルで行われているビットコイン導入を批判しました。Hanke氏は、ラテンアメリカの国がビットコインを法定通貨として使用するのは良いアイデアではないと考えており、「経済を完全に崩壊させる可能性がある 」と述べています。

今年の4月、ハンケ氏は「ビットコインの大物達は、ビットコインの欠点を議論することを嫌い。暗号通貨は未来のお金ですが、ビットコインはそうではありません」とツイートしましたまた、ハンケ氏はビットコインよりも通貨ボードの使用を強調し、自身が書いた記事を共有しました。

ハンケ氏は、エルサルバドルがビットコインをラテンアメリカの国の法定通貨として活用することを知った後、再びビットコインを批判しています。「中国やロシアのような国がエルサルバドルを使って現金化し、米ドルを排除する可能性がある」、「エルサルバドルにあるすべてのドルが吸い上げられ、国内にお金がなくなるため、経済が完全に崩壊する可能性があります。エルサルバドルでは、国民の70％が銀行口座を持っていません」とハンケは考えています。

また、ナイジェリア中央銀行（CBN）が、年内にデジタル通貨を活用することを議論していることについて、「ナイジェリアのデジタル通貨の計画が、エルサルバドルのビットコインの計画のようなものであれば、それは失敗するでしょう。ナイジェリアは変なアイデアを弄ぶのではなく、1913年から1959年の間にあったような米ドル建ての通貨委員会を設立する必要がある」と述べています。

多くの人がハンケ氏の発信に同意せず、「ハンケ氏はハンマー（米ドル通貨委員会）しか持っていないので、彼にとってはすべてが釘に見えている」、「ビットコインにはそのような制限はなく、弱い経済を救い続ける」等、ツイートに対し辛辣な返信が来ています。

注：*アメリカの経済学者であるスティーブ・ハンケ氏は、Cato Instituteのシニアフェローであり、Troubled Currencies Projectのディレクターでもり、2018年にハイパーインフレに苦しむ10カ国を取り上げ、「通貨ボードを採用した国は、中央銀行を採用した国と比較して、インフレ率が低く、財政赤字が少なく、国内総生産に対する債務水準が低く、銀行危機が少なく、実質成長率が高い」米ドルを採用するか、通貨ボードを作ることを提案しました。