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概要:■業績動向1. 2022年3月期第2四半期の業績動向Jストリーム (T:4308)の2022年3月期第2四半期の業績は、売上高6,285百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益1,071百万円(同1
■業績動向
1. 2022年3月期第2四半期の業績動向
Jストリーム (T:4308)の2022年3月期第2四半期の業績は、売上高6,285百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益1,071百万円(同14.6%増)、経常利益1,072百万円(同14.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益682百万円(同12.2%増)となった。
2020年3月期あたりから5GやIoTの時代へ向けた動きが本格化し、世間全般的に動画配信の需要が膨らみ始めたが、そこにコロナ禍による外出自粛や非接触といった環境変化もあって、動画配信の需要は拡大の足を急に速めた。
そうした時代を予見し、最先端の動画ソリューションを先行して提供してきた同社だったが、ようやく世間の目が同社の経営の方向を追いかけ始めたと言える。
なお、同社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用したため、医薬系企業に向けた集客広告サービスの代理販売の売上高で392百万円、SaaS系サービスの初期費用と売上を契約期間に応じて按分形状にする必要があるため営業利益以下各利益段階で5百万円少なく表示されている。
つまり、旧基準に照らすと増減率は、売上高が17.7%増、営業利益が17.0%増となっている。
2022年3月期第2四半期の大半は、多くの地域においてコロナ禍対策の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出・適用された期間であった。
しかし、2021年春以降のワクチン接種の普及、無観客ながら開催された東京オリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍、同年9月以降は感染の急激な縮小などの明るい話題も増えてきたことで、国内経済は、緩やかな回復が期待される状況となった。
インターネット業界では、顧客先各業種において新型コロナウイルス感染症拡大防止の一方で事業継続が求められたことから、販売促進イベントや情報共有、研修・会議・面談のオンライン化、テレワークの推進といった需要が引き続き旺盛であった。
こうした状況のなか、同社は、需要が急増した各種イベントのインターネットライブ配信や、社内情報共有・教育といったオンデマンド動画の配信ニーズに対応し、主力サービスである「ライブ配信サービス」「J-Stream Equipmedia」を中心に拡販に努めた。
そのため、引き続きオンラインやリアルイベントを開催する各種サービサーとの協業・連携を進め、共同して市場開拓を図った。
また、顧客企業の多様なニーズに応える、より高品質なサービスを提供できる体制の整備を進めた。
特に「J-Stream Equipmedia」では、メディア領域やDX(デジタルトランスフォーメーション)における大規模な動画活用ニーズの増大に対応する新プランを導入した。
また、情報通信業界の将来に向けた研究開発や課題・対応策などに関する官民の各種取り組みにも積極的に参画した。
この結果、販売は、いずれの領域においても堅調な推移となった。
医薬業界のEVC領域においては、2021年3月期より顕在化してきたDXへのニーズが継続、Web講演会のライブ配信やライブイベントに伴う売上が順調に推移した。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、夏季のイベントスケジュールをずらす動きが見られ、2021年7月~8月の売上の一部が同年6月と9月へシフトしたが、引き続き集客やコーディネートを含めたトータルでの動画配信支援を求めるニーズが強かった。
一般企業のEVC領域においても、業界を問わず、販売促進のためのWebセミナーや動画による情報共有・教育などのニーズが高まり、「J-Stream Equipmedia」の販売は好調となった。
以前より関連省庁も含めて議論されてきた「バーチャル株主総会」は新型コロナウイルス感染症対策として需要が急増し、信託銀行3社とのコラボレーションしたことでライブ配信やWeb制作などの売上が増加した。
一方、2021年3月期にコロナ禍で一時的に増加したWebページや映像の制作はやや減少することとなった。
OTT領域(放送)では、コンテンツ配信サイトのシステム開発やサイト運用、配信ネットワークが堅調に推移したほか、事前イベントやプロモーションなども含めた東京オリンピック・パラリンピック関連需要も売上増加につながった。
原価面では、子会社ビッグエムズワイが医薬系制作を行うアズーリをM&Aしたことにより、グループ内での制作開発力が向上する一方で、外注費の比率を低下させることができた。
また、労務費はこのM&Aと新たな人材採用により増加したが、付加価値の高いプラットフォームや制作系案件の利益率が堅調だったことにより、売上総利益率は大きく向上した。
販管費は、採用やM&Aにより人件費や求人費が増加したほか、業務プロセス効率化に向けた社内情報システムや販売管理システムの開発のため業務委託手数料が増加した。
全般的に先行投資と言える「ヒト」に関する支出が増加傾向にあり、実際に連結従業員数もこの1年(2020年9月末~2021年9月末)で約34%増えて637人となっている。
これは、2020年3月期あたりから5GやIoTの時代へ向けた動きが本格化し、世の中の動画配信需要が膨らみ始めたことに対して、新商品・新サービスの開発/投入・既存サービスの商品力向上にさらに拍車をかけることを目的としていると思われる。
コロナ禍の環境変化と動画配信の需要拡大という足元の派手な動きのため見逃されがちだが、同社らしく世の中に先行した中長期的な施策と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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