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概要:政府は26日の臨時閣議で、新たな経済対策の裏付けとなる2021年度一般会計補正予算案を決定した。不足財源を補う新規国債を追加発行し、償還や利払いを税財源で賄う普通国債残高は21年度末に1000兆円を突破する見通しだ。一方、市中向けの利付債発行は当初計画を据え置き、今後も安定的な国債消化を続けたい考え。
[東京 26日 ロイター] - 政府は26日の臨時閣議で、新たな経済対策の裏付けとなる2021年度一般会計補正予算案を決定した。不足財源を補う新規国債を追加発行し、償還や利払いを税財源で賄う普通国債残高は21年度末に1000兆円を突破する見通しだ。一方、市中向けの利付債発行は当初計画を据え置き、今後も安定的な国債消化を続けたい考え。
<補正予算としては最大>
21年度補正予算案は経済対策の関係経費31兆5627億円を盛り込み、歳出総額を35兆9895億円とした。補正予算としては過去最大の規模となる。12月6日召集の臨時国会に提出し、年内成立を目指す。
対策の4本柱のうち、新型コロナウイルス感染症対策には18兆6059億円、ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備えとして1兆7687億円を充てる。岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の起動では8兆2532億円を計上。防災・減災、国土強靭化を推進するため2兆9349億円の歳出も盛り込んだ。
歳出では、これらの対策経費のほか、国債整理基金特別会計への繰り入れ2兆2682億円や、地方交付税交付金3兆5117億円などを加えた。既定経費は1兆5665億円の減額とした。
歳入では、税収6兆4320億円に加えて税外収入1兆3516億円を計上。前年度剰余金6兆1479億円を受け入れるが、残る不足財源は22兆0580億円の新規国債の追加発行で補う。
昨年末時点で、借換債などを含む普通国債残高は21年度末に990.3兆円と過去最大に膨らむと見込んでいたが、今回の対策補正でさらに積み上がり、1004.5兆円になる見通しだ。欧米では、コロナ対策と同時に償還財源とする増税議論を進めており、歳出だけが先行する日本の財政運営に厳しい目が向けられそうだ。
補正後の21年度歳出総額は142兆5992億円となり、公債依存度は46.0%(当初想定は40.9%)に達する。
<財投債を30兆円減額>
財務省は26日、財政融資資金の運用財源に充てる財政投融資特別会計国債(財投債)の21年度発行額を30兆円減額する、と発表した。経済対策の不足財源を補う新規国債追加額を上回る規模で、当初の国債発行総額を224兆3583億円に下方修正した。21年度の市中向け利付債発行額は据え置いた。
政府が補正予算案を閣議決定したのに併せ、同省が発表した。国債発行計画の見直しでは、一般会計の公債金として建設国債2兆8270億円、赤字国債19兆2310億円を追加した。
一方、財投債の発行予定額を当初想定した45兆円から、今回の見直しで15兆円に減額。過去の借金借り換えに必要な「借換債」や復興債も当初比減額とし、21年度の国債発行総額を当初予定額から11兆6499億円減らした。
カレンダーベース市中発行額については当初比9兆2000億円減の212兆2000億円とした。累次の新型コロナ対策で膨らんだ短期債を減らし、今後の借り換えリスクを軽減する狙いだ。
利付債は2年と5年、10年、20年、30年、40年債と物価連動債、流動性供給のいずれも22年3月まで1回あたりの発行額を維持し、発行頻度の変更も見送った。
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