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概要:欧州中央銀行(ECB)は8日、ユーロ圏の銀行に対する初の気候変動ストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。今年炭素価格の急上昇と洪水や干ばつが重なった場合、大手行は少なくとも700億ユーロ(711億ドル)の損失を被ると指摘した。
7月8日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の銀行に対する初の気候変動ストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。
[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は8日、ユーロ圏の銀行に対する初の気候変動ストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。今年炭素価格の急上昇と洪水や干ばつが重なった場合、大手行は少なくとも700億ユーロ(711億ドル)の損失を被ると指摘した。
金融界や産業界は、気候変動への対応で株主や環境団体から強い圧力を受けている。
ECBは信用リスクと市場リスクのみに焦点を当て、リセッション(景気後退)などの間接的な影響を考慮していないため、対象となった41行の損失は実際よりも大幅に小さくなっていると説明した。
大半の銀行が気候変動リスクをモデル化する枠組みを持たず、融資を行う際に気候変動リスクを考慮していないのが一般的であることも明らかになった。
ECB銀行監督委員会のエンリア委員長は「ユーロ圏の銀行は、気候変動リスクを測定・管理するための取り組みを早急に強化しなければならない。現在のデータギャップを解消し、業界内で既に存在する優れた事例を採用する必要がある」と指摘した。
ECBは今回の結果について、銀行に求められる自己資本の水準に影響を与えることはなく「質的な観点から」ECBの監督業務に反映されるのみとしている。
ECBは、銀行が業務に気候・環境リスクを組み込む取り組みの進捗を評価する審査を別途実施しており、各行が遅くとも24年末までに一定の基準を満たすことを期待している。
欧州では、フランス銀行(中央銀行)が昨年、他に先駆けて気候ストレステストを実施し、イングランド銀行(英中央銀行)が続いた。
イングランド銀行は、テストの結果、気候リスクの管理ができない銀行・保険会社は年間利益の10─15%相当を失う可能性があると指摘した。
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