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概要:米労働省が8日発表した6月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比37万2000人増加し、伸びは4カ月連続で35万人超えとなった。失業率は3.6%と、4カ月連続で横ばいで推移した。安定したペースでの賃金上昇も続いており、月内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での75ベーシスポイント(bp)追加利上げを後押しする内容となった。
[ワシントン 8日 ロイター] - 米労働省が8日発表した6月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比37万2000人増加し、伸びは4カ月連続で35万人超えとなった。失業率は3.6%と、4カ月連続で横ばいで推移した。安定したペースでの賃金上昇も続いており、月内の米連邦公開市場委員会(FOMC)での75ベーシスポイント(bp)追加利上げを後押しする内容となった。
米労働省が8日発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比37万2000人増加した。
さらに、企業が労働時間を短縮している兆候は見られず、経済的な理由でパートタイムで働く人も約21年ぶりの水準に減少し、景気後退が差し迫っているという懸念が和らぐ可能性がある。
インディードのエコノミスト、ニック・バンカー氏は「雇用統計に景気後退を示す兆候を探しても、何も見つからない可能性が高い」とし、「雇用主は大規模な採用を継続しており、朗報だ」と述べた。
非農業部門雇用者数の市場予想は26万8000人増だった。予想レンジは9万─40万人。
5月分は38万4000人増と、当初発表の39万人増からやや下方改定された。
民間部門は新型コロナ禍中に失われた雇用を全て回復し、2020年2月の水準を14万人上回った。一方、政府はなお66万4000人下回る水準にある。
6月は専門職・企業サービスが7万4000人増加し、全体の伸びを主導した。レジャー・接客も6万7000人増加したものの、20年2月以降、依然130万人減となっている。
ヘルスケア、情報、運輸・倉庫の雇用も増加。製造業は2万9000人増と、パンデミック時に失われた雇用を全て回復。建設も1万3000人増加した。
米経済は上期に274万人の雇用を創出。バイデン大統領は「米国のように、過去18カ月間に達成した経済的利益を全て失うことなく、インフレを低下させることができる国は他にない」とし、好調な雇用情勢を評価した。
6月の時間当たり平均賃金は0.3%上昇。5月は0.4%上昇だった。前年同月比は5.1%上昇と、5月の5.3%から減速した。ただ、第1・四半期に人件費が急上昇し、賃金上昇圧力は依然強い。
米国内総生産(GDP)が2四半期連続で縮小するという見方が台頭しているものの、マンハッタン研究所のノア・ウィリアムズ非常勤研究員は、労働市場の逼迫を踏まえ、「米経済が景気後退に陥っている、もしくはその瀬戸際にあったとしても、過去とは大きく異なる性質の景気後退となるだろう」と指摘。「景気後退は主に、雇用減によって特徴付けられ、企業の採用減速から始まる。しかし、そのような動きは依然広範囲で起こっていない」と述べた。
人手不足の継続を反映し、平均週間労働時間は34.5時間と、横ばいで推移した。
家計調査によると、労働力人口は35万3000人減少。減少分の約半分が女性だった。労働参加率は62.2%と、5月の62.3%から低下した。
また、経済的な理由によるパートタイム労働者は70万7000人減の360万人と、01年8月以来の低水準となった。
現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員を希望しながらパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は6.7%と、前月の7.1%から低下し、政府が統計を開始した1994年以来の低水準となった。
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