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概要:[9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の複数の高官は9日、たとえ成長率を犠牲にしたとしても、受け入れがたいほど高いインフレの抑制を優先し、利上げを継続する姿勢を相次いで示した。
[9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の複数の高官は9日、たとえ成長率を犠牲にしたとしても、受け入れがたいほど高いインフレの抑制を優先し、利上げを継続する姿勢を相次いで示した。
9月9日、欧州中央銀行(ECB)の複数の高官は、たとえ成長率を犠牲にしたとしても、受け入れがたいほど高いインフレの抑制を優先し、利上げを継続する姿勢を相次いで示した。
ECBは8日の理事会で政策金利を0.75%引き上げた。エネルギー危機を受けてリセッション(景気後退)の可能性が高まっているにもかかわらず過去最大の利上げに踏み切ると同時に追加利上げを示唆し、インフレとの戦いを優先させる姿勢を鮮明にした。
カジミール・スロバキア中銀総裁は、ユーロ圏のインフレ率は「許容できない」ほど高いとし、ECBの優先事項は金融政策正常化に注力することだと述べ、利上げ継続は確実との認識を示した。
また、クノット・オランダ中銀総裁は、成長率の鈍化はこのインフレ抑制に必要な副作用だと指摘。オランダのラジオ局BNRのインタビューで「インフレ率は今後数カ月上昇し続けると予想される。従ってわれわれが抱えている問題はただ一つ、インフレだ」とし、「インフレを抑えるために少なくとも経済成長をわずかに減速させなければならない」と述べた。
インフレショックの原因はエネルギー価格の高騰であり、供給サイドのショックに対して中銀は無力であるため、今利上げしても無駄だとみる向きもある。
しかしこうした見方に反論する形で、ビルロワドガロー仏中銀総裁は、現在のインフレで食料とエネルギーが占める割合は半分にとどまっており、物価上昇のすそ野が広がり経済のあらゆる部分に打撃を与えていることを示唆すると主張。
ただ、10月にも大幅な利上げが実施されるとの観測については「次の動きはどうだろうか。はっきり言っておくが、われわれの手は完全に自由だ。誰もこれ(前日の0.75%利上げ決定)が次のステップの規模だと推測すべきではない。われわれに新たな『ジャンボ(大幅利上げ)癖』が生じたわけではない」と否定的な姿勢を示す。
ラガルドECB総裁は、中立金利に達するには今回の理事会を含めて5回より少ない会合が必要になるだろうと述べている。
具体的な中立金利は不明だが、ビルロワドガロー氏は9日に自身の見解を見直し、1─2%という従来の見立てから2%以下またはそれに近い水準にあると主張した。
大幅な利上げの可能性はなお残るものの、クノット氏はインフレ見通しが依然悪いとしても、さらなる0.75%の利上げは所与ではないと述べ、ビルロワドガロー氏と歩調を合わせた。
クノット氏は「6週間後もインフレの見通しが悪いようなら、われわれは再び力強く行動するだろう。しかし、それは必ずしも0.75%である必要はない」と語った。
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