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概要:■タカ派なFRBとECB、経済指標下振れで景気後退懸念強まる今週の日経平均は週間で373.89円安(−1.34%)と反落。 ローソク足は長い上ヒゲを伴った陰線を形成。 一方、26週移動平均線など主要な
■タカ派なFRBとECB、経済指標下振れで景気後退懸念強まる
今週の日経平均は週間で373.89円安(−1.34%)と反落。
ローソク足は長い上ヒゲを伴った陰線を形成。
一方、26週移動平均線など主要なサポートライン上で週を終えた。
日経平均は週前半、米11月消費者物価指数(CPI)などを前に様子見ムードが強く、12日、13日は58.68円安、112.52円高と一進一退の展開。
米11月CPIが10月に続き予想以上に鈍化すると、インフレ減速期待が高まり、14日の日経平均は201.36円高。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り、0.5ptへの利上げ幅縮小が決定されるも、政策金利見通しやパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容が総じてタカ派的だったことを受けて、15日は104.51円安と反落。
週末16日は524.58円安と大幅続落。
米国の小売売上高や鉱工業生産など主要経済指標が軒並み予想を下回ったことで景気後退懸念が強まり、売りが膨らんだ。
また、欧州中央銀行(ECB)もFRB同様に利上げ幅を0.5ptに縮小するも、ラガルド総裁が、利上げ幅の縮小を「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とタカ派な姿勢を見せたことも、金融引き締め長期化を意識させ、リスク回避的な動きを強めた。
■米企業決算に注目、CTAの動向も重要
来週の東京株式市場は軟調な展開が予想される。
FOMCでは2023年末の政策金利中央値が9月時点の4.6%から5.1%へと引き上げられた。
一方、FOMC後も、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む政策金利水準は来年5月頃をピークに4.84%程度にとどまっており、23年末では4.35%程度となっている。
来年後半に利下げを予想する市場と、長期間にわたり高水準の金利維持を主張するFRBとの間には乖離がある。
しかし、23年末の金利水準として5.4%以上を望むメンバーが7人もいたことも踏まえると、FRBのタカ派スタンスは鮮明だ。
また、今週末にはサンフランシスコ連銀・デーリー総裁、クリーブランド連銀・メスター総裁、NY連銀ウィリアムズ総裁らからタカ派発言が相次いでいる。
ウィリアムズ総裁は最新の政策金利見通しが示す以上の利上げが必要になる可能性についても指摘している。
パウエルFRB議長も会見で、「いまだ十分に景気抑制的な政策スタンスではない」、「インフレが2%に向かうとの確信が持てるまでは利下げは有り得ない」などと発言している。
ECBも利上げ幅を縮小したが、ラガルド総裁はインフレの水準は依然高すぎるとし、沈静化に向けて同様の利上げがしばらく続くと投資家に警告した。
市場とFRBのどちらが見解を曲げるのかという、いわばチキンレースの様相を帯びてきているが、「FRBに逆らうな」という有名な格言を思い出すならば、いまはFRBのスタンスを素直に解釈して、リスク資産への積極投資は控えるべき局面なのかもしれない。
もっとも、インフレの「水準」はともかく「伸び率」のピークアウトが確認されている今、長期金利が急騰する可能性はかなり低くなっており、景気や為替の動向と連動性の低い内需系グロース株などには長期目線で投資妙味が出てきていると考える。
さて、経済指標を振り返ると、米11月小売売上高は前月比−0.6%と市場予想(−0.2%)を大幅に下回り、10月(+1.3%)から大幅に減速した。
米11月鉱工業生産も前月比−0.2%と市場予想(+0.0%)を下振れた。
さらに、企業のセンチメントを示すNY連銀製造業景気指数は−11.2と予想(−1.0)を大幅に下振れ、フィラデルフィア連銀景況指数も−13.8と予想(−10.0)を下振れた。
世界的な金融引き締めが長期化する公算が大きくなっている一方、経済指標には減速の兆しが見られていて、今後は来年前半にかけて、景気後退・企業業績悪化を織り込む動きが加速していくことが懸念される。
こうした中、米国では20日に物流大手フェデックス、スポーツアパレルブランドのナイキ、21日には半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジーの決算が予定されている。
フェデックスは9月に、世界的な輸送需要の低下を背景に収益見通しを下方修正し、景気後退懸念を強めた経緯がある。
ナイキは供給網の逼迫による商品納入の遅延を要因に、在庫が積み上がり、値引き販売を強いられる形で粗利益率の悪化が懸念されている。
また、マイクロンはメモリ市況の急速な落ち込みを背景に、8月から見通しの下方修正が続いている。
これら企業の決算は相当程度警戒されているとはいえ、内容が悪ければ、来年の景気後退を織り込む動きが加速しそうで、注意したい。
S&P500種株価指数は13日の一時200日線超えをピークに、綺麗に再び下落基調に転じており、テクニカル面では今後も売りが続く可能性が高い。
日経平均も心理的な節目の28000円や25日線を明確に下放れた。
下値支持線としてまだ機能している75日線、26週線、13週線の踏ん張りに期待したいが、米国株が下値模索の展開となった場合、日経平均もこれらサポート帯を下抜ける可能性がある。
この場合、商品投資顧問(CTA)の売りが膨らむ可能性があり、注意したい。
■日銀金融政策決定会合、米PCEコアデフレータなど
来週の予定は19日に日銀金融政策決定会合(~20日)、20日に黒田日銀総裁会見、米11月住宅着工件数、21日に11月訪日外国人客数、米11月中古住宅販売、23日に日銀金融政策決定会合議事要旨(10/27~28開催分)、11月全国消費者物価指数、米11月耐久財受注、米11月個人消費支出・個人所得・PCEコアデフレータ、米11月新築住宅販売などとなっている。
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