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概要:パンデミックで花開いたエドテック分野。2023年にはどんな動きが出てくるでしょうか。教室でのVRの普及からM&Aの増加まで、VC各社の投資家たちが予測します。
トップのエドテックVCが2023年のエドテック市場を予想した。
Marianne Ayala/Insider
ベンチャーキャピタル(VC)から資金を得ようとするエドテック(EdTech)のスタートアップにとって、コロナウイルスの世界的流行はブームの到来を告げるものだった。学校や大学は、遠隔学習やそれに対応するためのツールを相次いで導入した。
ピッチブック(PitchBook)のデータによれば、エドテック系スタートアップに対するVCの年間資金調達額は、2019年から3倍以上に増えている。同分野の資金調達額は2019年に54億ドル(約7200憶円、1ドル=133円換算)だったが、2020年には3倍近い141億ドル(約1兆8700億円)に増加し、2021年には168億ドル(約2兆2300億円)と過去最高を記録している。
ピッチブックは、学校が再開したことによりバーチャル教材の必要性が低下したため、2022年のエドテック分野の資金調達額は2022年12月15日時点で84億ドル(1兆1200憶円)となっていると試算している。
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K50ベンチャーズ(K50 Ventures)の創業パートナーであるエイドリエル・バーコウ(Adriel Bercow)は、今後の不透明な状況のため、一般企業はさらにエドテック部門を敬遠するかもしれないと考えている。「特にエドテックは、規模拡大や適切な市場を見つけるためのコスト、あるいはダウンストリームの投資家の意欲の欠如によって、困難に直面する可能性があります」とバーコウは言う。
それでも多くの投資家は、短期的な見通しは厳しくても、長期的にはエドテックに前向きだとInsiderに語る。オウル・ベンチャーズ(Owl Ventures)のマネージングディレクター、アミット・パテル(Amit Patel)によれば、あらゆる部門のエドテックスタートアップの動向は、経済全体と比較すると景気循環に逆行する傾向があるという。社会人教育や高等教育というのは、雇用市場の信頼性が低下している時には逆にブームになる、とパテルは言う。
また、教育レベルを問わず後れをとる生徒が増えているため、学校や政府は、目に見える成果を出すことができる革新的なソリューションを市場に求めてくるだろう。
GSVのマネージングパートナーであるデボラ・クワッツォ(Deborah Quazzo)は、「グローバル・ラーニングやスキリング・テックの起業家たちが取り組む課題は、学業成績の低下、常習的な欠席、授業に積極的に参加しないということに見られるように、これまで以上に大きく、緊急性の高いものになる」と予測する。
Insiderは、数名のトップクラスのエドテックを専門とするベンチャー投資家に取材し、景気後退予測にもかかわらず、学校や職場におけるエドテックの大量導入が今後も続くと考える理由を探った。彼らが注目する「2023年のエドテック4つのトレンド」を紹介する。
1. 学生の学業の後れをサポートするスタートアップに注目
Bill Varie/Getty Images
親や教師たちは、パンデミック時代の遠隔学習が幼稚園児から高校生にどのような影響を及ぼすかについて理解し始めたばかりだ。投資家は、教室での学習障害やメンタルヘルスに関わる行動上の問題を改善できるスタートアップを待ち望んでいる。
2022年10月に行われた最新の全米学力調査の結果によると、小学4年生から中学2年生までの読解力と数学力のスコアが低下していることが分かった。このような状況に加え、教師の離職率が上がり、パンデミックによって生徒が精神的な打撃を受けたという認識が高まっていて、状況は深刻になっていると、オウル・ベンチャーズのイアン・チュー(Ian Chiu)は語る。
教育に特化したVCファンド、リーチ・キャピタル(Reach Capital)の共同創業者であるシャウンテル・ガーヴェイ(Shauntel Garvey)は、「学校や地域は、授業の強化や生徒のへのサポートなど、パンデミックによる学習機会の損失を補えるソリューションを求めています」と話す。
それに取り組むスタートアップのひとつとしてガーヴェイが挙げるのがクレイフル(Clayful)だ。同社は8歳から18歳までの生徒を対象に、行動支援のカウンセラーとテキストでやり取りできるサービスを提供している。カウンセラーはこのサービスを通して、生徒を精神的にサポートすることができる。
2. オンラインのみよりハイブリッドな学習プログラムが好まれるように
2021年、カリフォルニア州アナハイムのサンキスト小学校の授業風景。教師と一緒に教室にいる生徒もいれば、オンラインで参加している生徒もいる。
Paul Bersebach/Orange County Register via Getty Images
オンライン学習やバーチャルチュータリングを提供するプログラムは、コロナの流行や都市閉鎖の際には命綱となった。しかしInsiderが取材したVCの投資家たちは、従来の学校教育のやり方を好まない親が多少残ったとしても、対面式の指導にいつ戻ってもおかしくないと見ている。
レフトレーン・キャピタル(Left Lane Capital)のマネージングパートナーであるビニー・プジー(Vinny Pujji)は、「完全にデジタル化された学校教育のやり方への風当たりは強い。2020年から2021年にかけてのピーク時の水準からは縮小していくでしょう」と語る。
ビジネス戦略としてオンラインやバーチャルな教育を全面的に採用する企業もあるが、対面式の小グループミーティングや同期式のライブビデオなど、何らかの人的交流を組み込むことがこれからは不可欠になるとVCは見ている。
「人々はとにかくコミュニティを強く求めている」とリーチ・キャピタルのガーヴェイは言う。「仲間やコミュニティのない解決策は望ましくないのです」
3. エドテック市場の統合に伴いM&Aが増える
Miguel Villagran/Getty
金利が上昇し、スタートアップ市場の熱が冷え込むにつれ、2023年に新たに誕生するエドテック企業の数は減り、M&Aによるスタートアップの統合が進むとVCは予想する。
「今年資金調達をしなかった多くの企業は、2023年後半に資金調達をしなければならなくなります。その頃には最後の資金調達から18〜20カ月経っている計算になりますからね」とオールベンチャーズのチューは言う。
アバランチVC(Avalanche VC)の創業者でマネージング・ディレクターのカテリン・ドネリー(Katelyn Donnelly)は、「誰が買収に乗り出すかといえば、オンラインコース・ライブラリーのコーセラ(Coursera)やゲーム化した語学学習アプリドゥオリンゴ(Duolingo)など、数少ないエドテックの上場企業が優位に立ち、ライバルを追い落としていくでしょう」と述べる。
そして一般的に投資家は、企業の成長可能性に対しより厳しい目を要求する。
ゼネラル・カタリスト(General Catalyst)のマネージングディレクターであるニコ・ボナツォス(Niko Bonatsos)は、「成長ラウンドで資金調達を望むエドテック企業は、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を実現しており、計画を大幅に上回っていることを見せる必要があります」と強調する。
4. 仮想現実とAIが世界中の教室に入り込む
教育の現場にもメタバースやゲーミフィケーションを取り入れたAR/VR技術が普及しそうだ。
Thinkhubstudio/Getty
幼稚園から大学に至るまで、パンデミックによって新しいテクノロジーツールが急速に普及した。例えば、VR(仮想現実)を扱うスタートアップが次々と登場し、ゲーム化された授業で数学や科学の学習効果を高めようとした。
アバランチVCのドネリーは、扱いにくい科目に生徒が熱心に取り組むことのできる新しい方法を学校側が探しているため、2023年はこのようなスタートアップがさらに広く採用されると予測している。
ドネリーは、パンデミック時代のバーチャル学習の特徴として、彼がいわゆる「急ごしらえのYouTube動画」と呼ぶものよりも、こうしたツールの方が教室に溶け込むと話す。
GSVのクワッツォをはじめ複数のVCも、ジェネレーティブAI(コンテンツを作成できるAI)がチュータリングツールや教材という形で学校や大学にますます普及することに大きく期待を寄せる。この分野ですでに投資家の注目を集めているスタートアップとしては、AIが生成した教育フィードバックを提供するティーチFX(TeachFX)や、従来の教科書の内容をマルチメディア学習体験に変えるプロフ・ジム(Prof Jim)などがある。
アメリカではコロナの影響を和らげるため引き続き学校に対して連邦政府から補助金が拠出されている。そのため、学校現場ではようやく予算を確保できるこのタイミングで新しいテクノロジーを試したいと思う現場が増えるだろうとVCは予測している。
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