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概要:[東京 15日 ロイター] - 元日銀理事の門間一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミスト)は、政府が日銀総裁に指名した植田和男氏は就任後、副作用が顕在化しているイールドカーブ
[東京 15日 ロイター] - 元日銀理事の門間一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミスト)は、政府が日銀総裁に指名した植田和男氏は就任後、副作用が顕在化しているイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃を模索することになると述べた。撤廃のタイミングは金融市場や国民への影響を見極めた上での判断になると指摘。撤廃時には短期金利ターゲットの政策に移行し、国債買い入れを続けて長期金利の急上昇を抑える必要があるとの考えを示した。
ロイターとのインタビューで15日、語った。
門間氏はYCCについて、なるべく早く撤廃すべきだと強調。YCC撤廃は物価上昇を踏まえたものではなく、あくまで市場とのコミュニケーションを円滑にするための枠組みの修正であり、植田氏は緩和の後退でも出口戦略への一歩でもないことを丁寧に説明すべきだとした。その上で、先行き指針で物価目標が実現するまで金利を維持することを示すべきだと主張した。
日銀は現在、短期金利の目標をマイナス0.1%としている。門間氏は、マイナス金利が金融システムや金融機関収益に与える影響がないわけではないが「今、大きな問題になっているわけではない」と述べ、直ちに変更する必要はないとした。
<YCC、市場と日銀のコミュニケーション困難に>
門間氏は植田氏について、2%物価目標の達成が確実になるまで金融緩和を続ける一方で「現行の金融緩和の枠組みの問題点は直していった方が良いとの問題意識は持っていると思う」と指摘した。
日銀は昨年12月、事前に市場が織り込まない中で長期金利の変動幅拡大に踏み切った。黒田東彦総裁は「利上げではない」と強調したが、市場では変動幅の再拡大などの観測が高まり、10年金利は上限の0.5%を一時突破。日銀は1月、23兆円超の国債買い入れを実施した。
門間氏はYCCの下では「中央銀行のコミュニケーションが非常にやりにくくなっている」と話す。長期金利について「特定のレベルに目標を定めているところが問題だ」とし、「植田氏も撤廃できるタイミングを模索していくのではないか」と話した。
<YCC撤廃後は短期金利を目標に>
門間氏はまた、YCC撤廃時には金融緩和をしっかり続けることが市場に伝わることが重要だとした。「YCCには円滑なコミュニケーションを阻害する問題点があるので、枠組みを変えて、別のやり方で金融緩和をとことん続ける」と発信することが必要だと述べた。
その際の政策の枠組みとしては、短期金利を金融緩和のメインツールとしたものに移行し「2%物価目標が確実になるまで、短期金利はびた一文引き上げない」ことをフォワードガイダンス(金融政策の先行き指針)で示していくことが必要だと述べた。
YCC撤廃時の長期金利の急上昇を抑制するため、門間氏は短期金利のフォワードガイダンスに加え、必要な額の国債買い入れを継続すべきだとした。
<政策判断、市場や国民への影響を見極め>
もっとも、YCC撤廃の判断は市場や国民への影響などを見極めた上で行われると指摘。市場や国民の理解が得られると判断すれば、植田氏が総裁として初めて臨む4月の金融政策決定会合で政策修正の可能性を排除しないものの、「YCC撤廃を今やっても十分に国民から理解されないと判断すれば、理解される状況が作られるまでいくらでも待つのではないか」と述べた。
金融緩和からの出口は、最も早くて2024年夏以降だと予想した。物価高を反映して、今年の春闘は3%程度の賃上げが見込まれるものの「3%の賃上げが実現しても、日銀の2%物価目標の実現には少し弱い」と指摘。賃金上昇を伴った形での物価目標実現の観点から、来年の春闘で3%やそれを上回る賃上げが可能なのか見極める必要があるとした。
岸田文雄首相は政府・日銀の共同声明について、新総裁と見直しの是非を議論する方針だ。門間氏は、多少の字句が修正されることはあっても「日銀の金融政策が大きく変わる感じはしない」と述べた。
門間氏は、金融政策の企画担当の日銀理事として2013年の共同声明策定に関わった。
(和田崇彦、木原麗花 編集:石田仁志)
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