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概要:UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者は、株式から債券に資金をシフトさせる時期が来ていると投資家に助言します。債券以外の狙い目は、日本円などの外貨、金などコモディティだそうです。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの投資責任者は、株式から債券に資金をシフトさせる時期が来ていると投資家に助言する。
REUTERS/Denis Balibouse
スイス金融大手UBSの富裕層向け資産運用部門グローバル・ウェルス・マネジメント(Global Wealth Management)のマーク・ヘイフェリ最高投資責任者(CIO)は最近の顧客向けメールで、債券市場は景気後退入りを時間の問題と認識しているとの見方を示した。
社債価格は上昇が続き、米国債利回りの動き(すなわち短期利回りが長期利回りを上回る逆イールドが2022年春から続いていたが、最近その利回り差が縮小)は、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派転換(利下げ)が目前に迫っていることを示唆している、というのがその根拠だ。
一方で、株式市場を主戦場とする投資家たちは、いまだに経済成長の持続に期待を寄せている。
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「債券市場は早ければ夏にも景気後退入りする展開を織り込んだ値動きを見せており、原油価格と信用スプレッド(社債と米国債利回りとの差)もすでに景気後退リスクを相当に反映した水準です。
それとは対照的に、S&P500種株価指数は(シリコンバレーバンクの経営破綻から)銀行危機が始まる直前と比較しても1%未満の下落と、どちらかと言えばソフトランディングシナリオに近い水準での推移が続いています」(ヘイフェリ氏)
UBSは何も、株式市場の観測や判断が誤っていて、近いうちに株価下落という痛みを伴って現実とのズレを埋め合わせる日がやってくると警告しているわけではない。
2兆8000億ドルの運用残高を抱える世界最大の資産管理会社として、債券市場と株式市場のこの「温度差」から判断する限り、現時点では株価に大きなアップサイド(上振れ余地)を期待できないと言っているだけだ。
同社はS&P500種指数の年内の動きについて、6月末段階で3900前後、2023年末までに3800まで下落すると予測している。なお、直近(3月29日終値)の同指数は4027。
こうした状況分析を踏まえて、ヘイフェリ氏は投資家に対し、株式から債券に資金をシフトさせる時期が来ていると助言する。
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ヘイフェリ氏は前出の顧客向けメールで次のように指摘している。
「ハイクオリティ債は、利回りに妥当感があり、想定以上に深い景気後退のような市場イベントに際してもキャピタルゲインを期待できるため、我々としては魅力的と考えています。余剰資金を有する投資家はこの機を逸することなく、ハイクオリティ債の今日時点の利回りを確保することを検討すべきです」
現在、市場の変動性や不確実性の高まりを受け、投資家は通常時より多くの資金を現金の形で保有しており、それゆえにこの利回り確保の視点は特に重要と言える。
ヘイフェリ氏は(リスク回避のために現金を多く保有することで)十分な資金を投資に回せていない状況は回避すべきと助言する。
また、投資適格社債は大きなリスクを負うことなく約5%のリターンを期待できる状況にあるのに対し、株式は変動リスクが大きく、得られるリターンも限られているとヘイフェリ氏は指摘する。
「我々は3月、株式に対する投資判断を『最も推奨度が低い(least preferred)』に引き下げました」
ただし、株式への資金配分をゼロまで減らすのは得策ではないとヘイフェリ氏は警告する。
現状で必要なのは分散投資を徹底することで、株式については(これまで株価上昇の果実をもたらしてきた)米国株やグロース(高成長)株以外を推奨する。
ヘイフェリ氏が最も期待をかけるのは、アジア諸国や中国の半導体メーカーなどエマージング(新興)市場の銘柄、もしくはドイツ株など。
また、世界の株式市場全般に当てはまることとして、資本財、生活必需品、公益事業セクターの銘柄が、他セクターより現時点では有望という。
米国株についても状況は同じで、UBSのストラテジストチームは上記3セクターを中立から「最も推奨度が高い(most preferred)」に引き上げると同時に、ここまで最も推奨度が高いとしてきたエネルギーおよび不動産のセクターを中立に引き下げている。
このようにヘイフェリ氏には株式全般を強気とする気はさらさらないようだが、とは言え、さほど大きな株価下落を想定しているわけでもない。
破綻したシリコンバレーバンクの保険対象外の預金までを全額保護する判断を(緊急措置として)下したように、他行の保険対象外の預金も全て保護する姿勢をFRBが明確にしたなら、グロース投資にとってはプラスに働くだろう。
また、株価がこれ以上下がれば、それはそれで(割安株投資を促すことになり)現金が株式市場に舞い戻ってくる可能性が高いので、ダウンサイド(下振れ余地)は自ずと限られることになる。
ヘイフェリ氏は顧客向けメールの最後で、足元の銀行危機を受けて(融資基準の引き締めなどの動きが広がり)経済成長が鈍化し、FRBもインフレ抑制のために続けてきた利上げを控えると想定されることから、米ドル通貨の投資判断を「最も推奨度が低い」に引き下げたことに触れている。
「豪ドルやスイスフラン、ユーロ、英ポンド、日本円、さらに(コモディティとして)金への投資が我々の推奨です。
コモディティ全般やインフラなど優良なリアルアセット(実物資産)から、ヘッジファンドやプライベートマーケットなどのオルタナティブ資産、サステナブル投資まで、ポートフォリオの分散を図ることでリターンを積み重ねるチャンスが見えてくると考えています」
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※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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