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概要:富国生命保険の2023年度一般勘定運用では、円貨建て公社債の構成比が49%と、日銀が「異次元緩和」を開始する前となる2012年度以来の高水準となる計画だ。為替ヘッジ付き外債をすべて売却し、円高リスクのあるオープン外債も減額。超長期国債を中心とした円債に運用を一段とシフトさせる。
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[東京 18日 ロイター] - 富国生命保険の2023年度一般勘定運用では、円貨建て公社債の構成比が49%と、日銀が「異次元緩和」を開始する前となる2012年度以来の高水準となる計画だ。為替ヘッジ付き外債をすべて売却し、円高リスクのあるオープン外債も減額。超長期国債を中心とした円債に運用を一段とシフトさせる。
4月18日、 富国生命保険の2023年度一般勘定運用では、円貨建て公社債の構成比が49%と、日銀が「異次元緩和」を開始する前となる2012年度以来の高水準となる計画だ。写真は円紙幣。2011年8月撮影(2023年 ロイター/Yuriko Nakao)
執行役員・財務企画部長の鈴木善之氏が17日、ロイターとのインタビューで述べた。
<「YCC終了は待たない」>
今年度末の円貨建て公社債残高は3兆2800億円と前年度(見込み、以下同)比3200億円増となる見通しだ。資産内の構成比は年度末時点で49%と過去最高だった12年度の51.8%以来の高さとなる。超長期債を中心としたソブリン(日本国債)を2700億円、クレジットを500億円、それぞれ増額する予定だ。
鈴木氏は「今の円金利水準が十分というわけではないが、一部の負債の利率が低下する中で、ALM(資産・負債の総合管理)ができるような環境になってきた」と指摘。「日銀のYCC(イールドカーブ・コントロール)政策撤廃による金利上昇を待つのではなく淡々と平準的に買う予定だ。効果よりも副作用の大きいYCCはいずれ終了されるとみている」と話す。
日銀は黒田東彦前総裁の下、2013年4月から「異次元緩和」を開始。円金利は長期低下傾向に入り、保険商品など負債の利回りを大きく下回った。富国生命は利回りの高い外債の比率を高めることなどで対応。円債比率は19年度に35.7%まで低下したが、昨年来、円金利が上昇する一方、一部の保険商品の予定利率が低下してきたことで、円債運用を一段と拡大させる。
22年度も円債を4700億円積み増した。ソブリンが4200億円、クレジットが500億円、それぞれ増加した見込みだ。
<ヘッジ外債は残高ゼロに>
外債は減額予定だ。23年度末の外貨建て公社債残高は1兆0800億円と前年度比3000億円の減額予定で構成比は16%に低下する見通し。18年度には30.9%まで上昇していたが、こちらも「異次元緩和」前の12年度の12.3%以来の低さとなる。
このうち為替ヘッジ付き外債は2400億円の減額予定となる。ヘッジ外債は基本的にすべて売却予定で残高はゼロになる見通し。ゼロとなるのは、08年度にヘッジ付き外債への投資を本格的に開始して以来初めて。ドルの為替ヘッジコストが足元で約5%と高く、3.5%水準の米10年国債に投資しても総利回りでマイナスとなるためだ。
オープン外債も600億円の減額予定となっている。日銀の政策変更による円高リスクがあるとみており、償還再投資も見送る。今年度末のドルは125円を予想しており「足元のドル/円は投資したい水準ではない」(鈴木氏)という。
22年度は外債全体で6500億円減額した。ヘッジ外債を6700億円減額。オープン外債は円安が進む中、200億円積み増した結果となったが、10月時点の1200億円の増額予定から大きく縮小した。
<景気後退懸念で株式投資は慎重>
エクイティ資産は800億円の増額予定だ。国内株を200億円、外国株を100億円、それぞれ積み増すが、利回りの高い銘柄への入れ替えが中心だ。「景気後退懸念がある中、積極的に投資するマクロ環境ではない」(鈴木氏)という。
4月から専門部署を立ち上げたオルタナティブ投資は200億円の増額予定。収益性の高いPE(プライベート・エクイティ)ファンドなどに投資する。
不動産は300億円の増額予定だ。
*23年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 0.30―1.30%(年度末0.80%)
日本国債20年物利回り 0.70―2.00%(同1.60%)
米10年債利回り 2.60─4.40%(同3.40%)
日経平均 22000─32000円(同28000円)
米ダウ 26000─36000ドル(同31000ドル)
ドル/円 120―145円(同125円)
ユーロ/円 127―154円(同133円)
(伊賀大記 編集:石田仁志)
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