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概要:米労働省が2日発表した5月の非農業部門雇用者数は前月比33万9000人増だった。新型コロナウイルスのパンデミック以前の標準時に比べて2倍近い伸びと、まさに目を見張るような数字で、米連邦準備理事会(FRB)の急激な引き締めにもかかわらず、米労働市場が前向きの力をしっかりと維持している様子が確認された。
[ワシントン 2日 ロイター] - 米労働省が2日発表した5月の非農業部門雇用者数は前月比33万9000人増だった。新型コロナウイルスのパンデミック以前の標準時に比べて2倍近い伸びと、まさに目を見張るような数字で、米連邦準備理事会(FRB)の急激な引き締めにもかかわらず、米労働市場が前向きの力をしっかりと維持している様子が確認された。
6月2日、 米労働省が発表した5月の非農業部門雇用者数は前月比33万9000人増だった。写真は2022年7月、マサチューセッツ州ケンブリッジの店頭に出された求人のポスター(2023年 ロイター/Brian Snyder)
しかし雇用データを詳しく分析していくと、今の流れが続くならばこのまま雇用回復が持続するとの期待に水を差すような兆しも見えてきたようだ。
5月の失業率は3.4%から3.7%に跳ね上がった。パンデミック期間を除けば、過去10年余りで1カ月間にこれほど大幅な上昇は記録されていない。
失業者の月間増加数は44万人で、これは2010年11月以降最大規模だった。
特に際立ったのは黒人労働者の雇用環境の悪化で、増加した失業者のほぼ半分を占めた。その結果、黒人の失業率は4.7%から一気に5.6%と、11年ぶりの急上昇となった。
確かに5月の非農業部門雇用者数全体を見れば、バイデン政権が持続的な雇用の強さの象徴だとアピールしたように、パンデミックの最初の数カ月で失われた雇用を完全に取り戻す段階に一層近づいただけでなく、労働力人口の伸びを考慮に入れる上で必要となるトレンドにも接近したことになる。
とはいえFRBに批判的な人々が懸念してきた黒人失業者の増加は、労働市場が暗転する最速の警戒信号かもしれない。真っ先に黒人労働者が急速に失業する構図は、米国の景気悪化やリセッション(景気後退)における一つの特徴だからだ。
インディード・ハイアリング・ラブの経済調査責任者ニック・バンカー氏は「わずか1カ月のデータで安易に過剰反応しがちではあるが、一定の警戒要素は決して無視できない」と述べた。
さらに5月の週平均労働時間は34.3時間に減少し、2017─19年の平均を下回っている。これは伝統的なリセッションを告げる指標であり、経営者の間で人手不足感が弱まっているシグナルであってもおかしくない。
<正常化>
5月は賃金上昇ペースも鈍化した。
また今回の雇用データの別の側面からは、採用環境のダイナミックさが薄れた様子もうかがえる。
足元の失業者数の増加は、仕事が見つかった人が減ったことが一因だ。5月に仕事を見つけられた失業者は季節調整済みで146万人まで減り、昨年初め以降の平均よりおよそ30万人少ない。
一方、失業して職探しをしている人は168万人前後で、ここ数カ月の平均を15万人程度上回っている。これは自発的にしろ、必要に迫られてにしろ、労働市場への参入・退出や転職がより自由に見えたパンデミック時代の後の労働市場になおとどまり続けたいと人々が考えていることの表れかもしれない。
雇用の伸びの規模自体は突出しているものの、データの詳細をたどっていくと、労働市場はパンデミックによる混乱から「正常化しつつある」状況も読み取れるのではないか。
例えば月次の家計調査で登録された雇用数の落ち込みを主導したのは、パンデミック期間に激増した個人事業主の減少だった。
ブラックロックのグローバル債券投資責任者リック・リーダー氏は、まだパンデミック前の雇用水準を回復していない娯楽や接客といった業界、あるいは著しい人手不足に見舞われているヘルスケアや教育などの業界による勢いのある採用の動きは、他のセクターの雇用が鈍化しても市場全体をけん引し続けるだろうとの見方を示した。
そうした環境下では、FRBは慎重な姿勢を取るのが正しいではないか、というのがリーダー氏の意見だ。
リーダー氏は「労働市場は一部サービス部門の人手不足や、高齢化などの歴史的な人口動態面の流れのために非常に引き締まっているというのが事実だ。しかしFRBが高止まりするインフレを抑えるために今すぐ労働市場を壊すのではなく、経済は自律的に、より健全な形で調整できる公算が大きいとわれわれは考えている」と述べた。
(Howard Schneider記者)
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