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概要:資産運用会社シュローダーズのボブ・アームストロング氏は、マクロ経済が新たな時代に移行することで、昨日の敗者が新たな勝者となるだろうと述べています。
ボブ・アームストロング氏は、約9390億ドルの運用資産を持つシュローダー社の投資ストラテジストだ。
景気後退が間近に迫る中、近年の市場を特徴づけてきた特徴の多くは消え去ってしまった。
実際、投資家は、より粘り強いインフレとさらにタカ派的な金融政策のある世界へとシフトしているこの状況に注意を払うべきだ。そして、早く元に戻りたいという希望を抱いている投資家に対して、ボブ・アームストロング(Bob Armstrong)氏は悪い知らせを持っている。
9390億ドル(約131兆4600億円、1ドル=140円換算)の資産を運用するシュローダー(Schroders)の投資ストラテジストであるアームストロング氏は次のように述べている。
「今はレジーム・シフトの時期です。レジーム・シフトとは、低インフレ、低金利、中央銀行の金融緩和政策から、まるで正反対の世界への移行を意味します。インフレを持続させる構造的な力が働いているため、ゼロ金利の環境に戻るとは思えません」
投資家は銀行の危機という形で、この大局的な体制転換の兆候をすでに目撃しているとアームストロング氏は最近のインタビューでInsiderに語っている。そして、その意味するところはそれだけにとどまらず、「事実上すべての資産」に影響が及ぶことになると同氏は考えている。
新しい経済の時代の幕開けとともに、同氏は新たな市場のリーダーシップが生まれることも予想している。そしてマクロ経済環境の大きな変化を考えると、投資家たちがコンフォートゾーンを離れるべき時が来たと彼は考えている。
「資産クラスの観点からは、今後の市場のリーダーは、過去10年間のリーダーとは大きく異なる可能性がある」とアームストロング氏は説明する。
「率直に言って、投資家は過去10年間の旧体制で何があったかを見て、ほとんど逆のことをする必要があるというのが我々の考えです」
旧体制で主導権を握った株の逆を買う
景気後退が迫る中、アームストロング氏は今のところ、債券と株式の両方で質の高い資産に注目し、ポートフォリオを守備的なものにしている。
「我々は、相場サイクルにおいて成功を収めてきた資産や、ハイテク分野で大きな成功を収めた資産を減らしてきました。完全な作戦変更ではありませんが、その分ヘルスケアや生活必需品といったよりディフェンシブな分野を増やしています」
アメリカ国内では大型株が旧体制でアウトパフォームしたため、投資家は今こそ中小型株を買い始めるべき時だと同氏は指摘する。また、インフレと金利の上昇が続く中、最近のAI(人工知能)の台頭が追い風となっているものの、超大型のハイテク株は苦戦すると考えている。
「我々は今もハイテク分野には投資しています。しかし今こそもう少し守備的になり、マルチプル・エクスパンション(株価収益率:PERが上昇する状況)に依存してきた分野への投資を縮小する時です。そうした分野は、今後数年間は厳しい状況になると考えています」
また、以前の経済体制はアメリカの銘柄が中心であったため、今後はアメリカ国外の銘柄にアウトパフォームを求めるべきだという。アームストロング氏は、この転換の理由として、国際的に見て割安なバリュエーション、ドル安、グローバル市場のウェイトの違いなど、いくつかの要素を挙げている。
「国際市場の基本的なセクター構成は、インフレに有利に反応する傾向があるオールドエコノミー分野へのエクスポージャーが多くなっています。また、市場の成長分野へのエクスポージャーが小さく、現在の国際市場は基本的な構成がより好ましいと考えています」
債券やコモディティにもチャンスがある
旧体制では株式が脚光を浴び、債券は多くの投資家の目に触れることがなかったかもしれない。しかしアームストロング氏は、投資家は債券に対する見方を変える必要があると考えている。
「これまでの10年間は、債券で損をすることは困難でした。一方通行の金利環境だったからです。今後は金利が上昇も下降もする、正常な金利サイクルに入るのは明らかなので、債券に関してより柔軟によく見極める必要があると考えています」
アームストロング氏は、戦術的には、投資家はこれまで以上に魅力的に見える高品質の債券にこだわり、少なくともより魅力的な機会が訪れるまでは、スプレッドのリスクを避けるべきだと考えている。
「歴史的に見て、質の高い債券に投資するのに最適な時期は、最初の利上げから約13カ月後であり、それは偶然にも前回の利上げの直後です。つまり歴史的に見ても、今は高品質な債券に投資するのに適した時期だと言えます」
最後にアームストロング氏は、新しいマクロ経済時代に輝き続ける資産クラスとして、コモディティも挙げた。
「多くの投資家は、コモディティを非常にリターンの低い不安定な資産クラスとみなし、過去10年間の大半関心を示しませんでした。しかし今なら、投資家によってはコモディティは良い戦略的配分になります」
粘り強いインフレが続く環境では、コモディティは優れたインフレヘッジとポートフォリオの多様化手段として投資家の役に立つという。さらにアームストロング氏は、過去10年間のコモディティ分野への大規模な投資の不足を挙げ、次のように語った。
「エネルギーの転換には、何兆ドルものインフラと地中から掘り出す必要のある鉱物が必要です。この投資不足が徐々に解消され、エネルギー転換を支えるための投資が増えることで、コモディティは利益を出すことができるようになるでしょう」
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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