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日銀の政策正常化に向けた動き、今後数カ月見込まず－若田部前副総裁
概要：前日本銀行副総裁の若田部昌澄早稲田大学政治経済学術院教授は、日銀は今週の金融政策決定会合も含め、緩和策を当面維持する可能性が高いとの見方を示した。
前日本銀行副総裁の若田部昌澄早稲田大学政治経済学術院教授は、日銀は今週の金融政策決定会合も含め、緩和策を当面維持する可能性が高いとの見方を示した。
若田部氏は、足元の「インフレを持続的で安定したものとみるのは依然として時期尚早だ」と指摘。「６月の会合では何もない」と予想した。ブルームバーグテレビジョンのインタビューに英語で答えた。
この発言は、日銀が今週末の会合で緩和策を維持するとの市場の見方を補強するものとなりそうだ。事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は現時点でイールドカーブコントロール（長短金利操作、ＹＣＣ）を調整する必要性は乏しいとみている。
日銀は６月会合で大規模緩和維持の公算大、物価は上振れ－関係者
３月に副総裁を退任した若田部氏は、７月に物価見通しがある程度上方修正されると予想する一方、政策正常化に向けた動きは見込んでいないことを示唆した。日銀ウオッチャーの間では、政策修正のタイミングを７月と予想する向きが最も多い。
植田和男日銀総裁の「大きな課題」は、予想されるＹＣＣ修正が金融政策全体の戦略転換を意味するものではないと伝えることだと若田部氏は指摘。政策ツール（手段）の修正と戦略の転換は同じものではないとの見方を示した。
若田部氏によれば、政策継続の根拠が圧倒的に多いという。しかし、将来的には現行政策のある種の特異性を変えたいと日銀は考えるだろうとし、「その際、戦略の部分とツールの部分、この二つを変更するためにどのようにコミュニケーションをとるかが問題だ。そのコミュニケーションは非常に興味深いものとなろう」と語った。
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