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概要:米金融当局は一連の利上げをいったん停止しつつも、従来の予想よりも高い水準に政策金利を引き上げる見通しを示した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が指摘するように、驚くほど根強いインフレ圧力と労働市場の堅調ぶりが背景にある。
米金融当局者は政策金利やインフレ率の見通しを上方修正
利上げキャンペーン停止は一時的な可能性とシグナル発信
しかし、ターミナルレート(金利の最終到達点)の見通しが予想外の高水準に引き上げられたことは、昨年の積極的なペースから引き締めキャンペーンの速度を落とす一方で、底堅い景気を冷ますという金融当局の従来戦略への回帰を反映している可能性がある。3月以降の一連の米地銀経営破綻は、こうした戦略に水を差す形となっていた。
INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は、利上げを休止すると同時に利上げ再開の可能性のシグナルを発することで、「当局は最大限の柔軟性を確保できる」とし、「データが過熱気味のままなら利上げし、データが軟化すれば容易に方向転換することができるよう下準備するものだ」と指摘した。
上方修正
FOMCは14日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5-5.25%に据え置くことを決めた。昨年3月に開始した現行の利上げキャンペーンでは、4会合連続で0.75ポイントの大幅利上げに踏み切る局面もあった。
FOMCは声明で「今会合で目標レンジを据え置くことで、委員会は追加情報とその金融政策への含意の見極めが可能になる」と説明
当局は昨年12月に引き締めのペースを落とし始め、今年に入ってからは5月までの3会合連続で利上げ幅を0.25ポイントずつとしていた。
だが、経済統計が予想よりも力強い数値となり、一部指標で見たインフレ抑制の進展も鈍っていることで、当局者は物価圧力封じ込めに必要と考えられるターミナルレート予想を上方修正した。
年末時点のFF金利の見通しは中央値で5.6%と、3月の前回予想の5.1%から引き上げられ、あと2回の0.25ポイント利上げを意味するものとなっている。
債券トレーダーは年内の米利下げ観測をほぼ取り消しながらも、FOMC参加者が予想する水準まで実際に金利が引き上げられることはないと見込んでいる。
パウエル議長は「5.6%の水準を考察するなら、3月の銀行破綻の出来事以前のFF金利の取引水準と極めて整合的なもので、当局としてそこに戻った形だ」と話した。
複数の選択肢
議長は、これまでの利上げが経済に及ぼしている効果を評価するのに当たり、当局として今後数カ月にわたり複数の選択肢を確保したい考えであることを示唆した。
FF金利の水準は現時点でFOMC参加者の大多数が景気抑制的と推計する水準にあるかそれに非常に近づいており、引き締めに対する会合ごとのアプローチを通じ、新たに発表されるデータに応じた対処が可能になる。それは事前に何かにコミットすることを避けて、インフレ加速の過程で学んだ教訓を生かすことにもなる。
ただ、こうしたメッセージをうまく伝えるのは容易でない。FOMCは声明で、追加利上げの可能性を巡り一段と明確なシグナルを発するとともに、金利予測分布図(ドット・プロット)では今会合前のFRBウオッチャーの予想よりも多くの利上げを当局者が見込んでいること浮き彫りにした。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は「新たなドット・プロットについて、われわれは口先介入の道具と解釈している。たとえ実際の追加利上げの幅が予想には届かないとしても、利上げ休止を受けて金融状況がさらに緩和するのを事前に阻止する手段となる」と分析。さらに、「インフレ率は年末までにドット・プロットの予想よりも低くなると見込まれ、金融当局の最終的な利上げはこの予想には達しないだろう」とコメントした。
パウエル議長も、ドット・プロットで2回の追加利上げの可能性が示された点を認める一方で、それは予想に過ぎず経済の展望は不確実だとして、将来的なことにあまりコミットしないよう注意を払った。同時に2%の物価目標達成へのコミットメントには揺るぎがなかった。
LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は「パウエル議長は利上げ休止と、上方に大きくシフトしたドット・プロットとの間でバランスを取ろうとし、一定の成果を収めた」と解説した。
正念場
FOMC声明とドット・プロットに加えられた前回からの変更部分や、パウエル議長のメッセージからは、会合の前に当局者の間で調整が行われた様子が多少うかがわれる。
LHマイヤーのタン氏は「今回の会合は誰もが何かを得たとしても、完全にハッピーなのは誰もいないという点で、気まずいコンセンサスであったのは明白だ」と述べ、「年末はもちろん、今秋まで団結を保つのは至難の業だ」との見方を示した。
5月と6月の会合の間の期間には、インフレや労働市場のデータを踏まえ、利上げ休止が正当化されるとは納得がいかないと表明する当局者もそれなりの数に上った。
7月25、26両日の次回FOMC会合までには新たなインフレ統計や雇用統計が発表される。パウエル議長は記者会見で、7月は「ライブ」な会合になるとして、利上げ再開と据え置き継続の両方の可能性があることを示唆した。
KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「インフレ抑制の長距離マラソンでずいぶん遠くまで来たが、正念場はこれからだ」とし、「当局者のコアインフレ予想の上方修正からは、インフレの過度の底上げに対する懸念がよく分かる」と話した。
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