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概要:今年1-6月(上期)のM&A(企業の合併・買収)と新規株式公開(IPO)を合わせた額は前年同期から約1兆ドル(約144兆6000億円)減少した。ここ10年で最悪の上期の一つになる。
M&AとIPOの上期総額は前年比42%減の1兆3000億ドル
幾つかの明るい側面も銀行が人員削減に動くのを防ぐには不十分
今年1-6月(上期)のM&A(企業の合併・買収)と新規株式公開(IPO)を合わせた額は前年同期から約1兆ドル(約144兆6000億円)減少した。ここ10年で最悪の上期の一つになる。
インフレ圧力と資金調達環境の引き締まり、地政学的緊張が地域やセクターを問わず活動を鈍らせた。
通常総じて低調な夏が近づきリセッション(景気後退)懸念が漂う現状の下、ディールメーカーには向こう6カ月もさらなる痛みがもたらされるかもしれない。ウォール街では既に、ボーナスと人員の削減が始まっている。
ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループの投資銀行部門で欧州・中東・アフリカ(EMEA)責任者を務めるドミニク・レスター氏は、「案件が先送りされている。取締役会は資産評価に苦労しており、そのため取引のコミットメントに時間がかかっている」と話した。
ブルームバーグがまとめたデータによると、上期の取引高は前年比42%減の1兆3000億ドルと、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年の上期を除くと、この10年で最小で、同期間の平均を下回っている。
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社による買収は、低金利での借り入れができなくなったことや売り手との間での価格面の不一致から低迷している。この落ち込みを戦略的買収が補うには至っていない。政府介入が増え、企業買収が複雑化しているためだ。
過去 6 週間には数百億ドル相当のM&Aが行き詰まるか破談になった。衛星通信サービスのインテルサットと同業SESの統合協議の打ち切りや米銀シティグループのメキシコリテール部門売却取りやめのほか、マイクロソフトによるゲームメーカー、アクティビジョン・ブリザード買収は規制当局が阻止を目指している。
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IPOも低調だ。ブルームバーグがまとめたデータによると、23年上期に企業がIPOを通じて調達したのはわずか680億ドルにとどまり、前年同期比で3分の1以上の減少となった。世界金融危機以降で上期のIPOの総額がこれより低かったのは16年のみだ。
重しとなっているのはM&Aの場合とほぼ同じで、世界的な景気減速への懸念と価格についての企業と投資家の期待のミスマッチだ。
投資会社ナインティワンのポートフォリオマネジャー、ステファニー・ニーべン氏(ロンドン在勤)は「口には出さないが誰もがリセッションを予想している。その時期を予測するのは難しいが、主に消費者主導の低迷になるだろう」とした上で、「投資家が慎重なのはこのためだが、市場は景気後退をきちんと織り込んでいない」と指摘した。
ドイツのウェブホストグループ、イオノスやイタリアのカジノ運営会社ロトマティカ・グループなど今年に入って注目度が高かった一部IPO銘柄の低パフォーマンスも悪材料だ。天然ソーダ灰の生産で世界最大のWEソーダは今月、ロンドンでのIPO中止の決定理由に「極端な投資家の慎重姿勢」を挙げた。
IPO市場再開のために必要なのは「10-15の案件がうまくいくことだ」と、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のドイツ、オーストリア、スイス株式資本市場責任者、トルステン・パウリ氏が指摘。「24年の取引に向けた準備が再始動し始めているが、上場する企業はバリュエーションについて合理的にならなくてはならない」と話した。
23年にはポジティブな面も幾つかはある。製薬会社による希少疾患の新しい治療法追求と、よりクリーンなエネルギー形態への移行が、ヘルスケアとコモディティーの取引に引き続き拍車をかけている。
また、中東の資金豊富な政府系ファンド(SWF)は自国の最大手企業を育てたり地域の影響力を高めたりするために積極的に世界で買収先を探している。
しかしこうした明るい側面も、ウォール街の金融機関が取引量の全体的な減少に対応して抜本的な行動を取ることを防ぐのに十分ではなかった。
JPモルガン・チェースやシティグループ、 ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーなどは今年、投資銀行部門全体で人員削減を開始。ラザードのようにM&Aを専門とする企業もチームを縮小している。
人員削減の対象はマネジングディレクターからジュニアレベルの従業員まで広範に及ぶ。一部の金融機関は競合他社を離れた人材を拾うために選択的に採用しようとしているが、解雇された人にとって雇用市場は厳しい見込みだ。
グローバル人材紹介会社メイブン・サーチのパートナー、ジェネビーブ・フレイザー氏は「多くの人が再就職に際してブランドや報酬の面で何らかの格下げを余儀なくされるだろう」と指摘した。
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