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概要:ニューヨーク外為市場ではドルが下落し、約1年ぶり安値に沈んだ。6月の米消費者物価指数(CPI)が約2年ぶりの小幅な伸びとなったことで、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げがあと1回にとどまる可能性が出てきた。
ニューヨーク外為市場ではドルが下落し、約1年ぶり安値に沈んだ。2021年撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)
[ニューヨーク 12日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落し、約1年ぶり安値に沈んだ。6月の米消費者物価指数(CPI)が約2年ぶりの小幅な伸びとなったことで、米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げがあと1回にとどまる可能性が出てきた。
主要通貨に対するドル指数は一時、2022年4月以来の安値となる100.54を付けた。終盤の取引では1%安の100.55。1日としては2月初旬以来の大幅な下げ率を記録する勢い。
6月の米CPIは前年比3.0%上昇。5月の4.0%から鈍化し、2021年3月以来の小幅な伸びとなった。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年比4.8%上昇と、21年10月以来の小幅な伸びにとどまった。コア指数は前月比でも0.2%上昇と、21年8月以来の低い伸びとなった。
ドルは対スイスフランで一時0.8660フランと、2015年1月以来の安値に沈んだ。その後は1.3%安の0.8675フランで推移した。
マネックス・ヨーロッパのFX分析責任者サイモン・ハーベイ氏はコアインフレ指数の鈍化について、「今回の米利上げサイクルにおいて追加利上げはあと1回というわれわれのベースシナリオを支える内容」と指摘。また、CPIを受け「ドルは先週末に発表された米雇用統計後の下げ幅を拡大し、ノルウェークローネやスウェーデンクローナ、円など、米債利回りの動向に敏感で過小評価されている通貨に対する下げが目立った」と述べた。
金融市場では、FRBが今月25━26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの見方が依然強い一方、その後、年内に再び追加利上げが決定される確率が低下した。
ユーロ/ドルは一時3月以来の高値となる1.1134ドルを付けた。その後は1.1%高の1.1131ドル。
ドル/円は6週間ぶりの安値となる138.17円を付けた。終盤は1.4%安の138.375円。
英中銀による追加利上げ期待を追い風に、ポンド/ドルはは一時1.30ドルと、15カ月ぶり高値を更新。その後は0.4%高の1.2984ドル近辺で取引された。
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