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概要:2日の米国株式市場は下落。格付け会社フィッチ・レーティングスが前日引け後に発表した米国債格下げの影響が広がったほか、堅調な雇用データや米財務省による中長期債の発行規模引き上げが材料視された。
米財務省が中長期債の発行規模引き上げ-金利に上昇圧力
ADP雇用報告、予想上回る伸び-雇用市場の底堅さ改めて浮き彫り
2日の米国株式市場は下落。格付け会社フィッチ・レーティングスが前日引け後に発表した米国債格下げの影響が広がったほか、堅調な雇用データや米財務省による中長期債の発行規模引き上げが材料視された。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4513.39 | -63.34 | -1.38% |
ダウ工業株30種平均 | 35282.52 | -348.16 | -0.98% |
ナスダック総合指数 | 13973.45 | -310.46 | -2.17% |
全面安の展開となり、S&P500種株価指数は4月以来の大幅安。ナスダック100指数は約2%下落した。エヌビディアは4.8%安、テスラは2.7%の下げとなった。恐怖指数として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)はここ約5カ月で最大の上昇を記録した。
ジャニー・モンゴメリー・スコットの調査ディレクター、ダン・ワントロブスキ氏は、買われ過ぎや相当な強気傾斜の側面もあった値上がり局面を経て、株式市場では「高水準での値固め」が起こっていると指摘。値固めは通常、前回のトレンド再開に向けた健全なプロセスだと考えられているが、「当社の今年下期の見通しは現時点で大きく変わっていない」として、「引き続きかなり大幅な調整を想定している」と述べた。
足元では利回り曲線のスティープ化という別の懸念材料もある。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏によると、過去50年において逆イールド(長短金利逆転)の状態から利回り曲線のスティープ化が進行した場合、株式市場は大きく下げる傾向があった。
同氏は「この点を踏まえると、当社では格下げの影響は心配していない」とした上で、「逆イールドの状態における利回り曲線のスティープ化は、株式市場にとって強気ではなく、弱気なサインだ」と述べた。
フィッチは格下げの理由として、財政赤字の急増や「ガバナンスの劣化」を挙げた。すでにリセッション(景気後退)リスクや今年の株高の持続性を懸念していた市場では、格下げがさらに不安をあおる格好となった。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は、これまでフィッチのコメントに耳を傾けていた投資家にとって、米国の格下げは想定外ではなかったはずだが、そのタイミングには誰もが不意を突かれたと指摘する。
ここにきて米国債利回りが跳ね上がっている状況は無視できないとし、「株式トレーダーは利回り急上昇と、アップルとアマゾン・ドット・コムの決算発表を控えた警戒感を、利益確定の機会に利用している」と述べた。
国債
米国債相場は大半の年限で下落。国債の大量供給に加え、雇用市場の力強さが改めて鮮明になったことで、売りが膨らんだ。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.18% | 8.5 | 2.07% |
米10年債利回り | 4.08% | 5.9 | 1.46% |
米2年債利回り | 4.88% | -2.3 | -0.47% |
米東部時間 | 16時55分 |
10年債利回りは一時、10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.12%と、2022年11月以来の水準を付けた。30年債利回りも4.2%に達し、およそ9カ月ぶり高水準。
米財務省は四半期定例入札に関して、中長期債の発行規模を約2年半ぶりに引き上げた。来週の入札で3、10、30年債を計1030億ドル(約14兆7400億円)相当発行する。発行規模は前回(計960億ドル)から拡大し、大半のディーラー予想をやや上回った。フィッチは米国債格下げの理由として財政悪化を理由の1つに挙げており、入札では需要が試されそうだ。
ブランディワイン・グローバル・インベストメントのポートフォリオマネジャー、トレーシー・チェン氏は「格下げはやや奇妙なタイミングで発表されたが、米国の財政は懸念すべき状況だ」と指摘。格下げが入札の時期に重なっているため、タームプレミアムの上昇と利回り曲線のスティープ化が起こる可能性があるとの見方を示した。
7月のADP雇用データの発表を受けて、利回りにはさらに上昇圧力がかかった。統計では民間雇用者数が32万4000人増と、市場予想の19万人増を上回る伸びとなり、労働市場の底堅さが改めて意識された。
利回り曲線のスティープ化もさらに進行。2年債利回りは4.92%の水準で、10年債利回りを82bp上回る。
外為
外国為替市場ではブルームバーグ・ドル・スポット指数が上昇。フィッチによる米国債格下げにもかかわらず、安全資産としての根強い需要からドルが買われた。ドルはG10通貨に対して全面高。対米ドルでは、特にニュージーランド・ドルとオーストラリア・ドルの下げがきつかった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1229.56 | 5.40 | 0.44% |
ドル/円 | ¥143.35 | ¥0.01 | 0.01% |
ユーロ/ドル | $1.0938 | -$0.0046 | -0.42% |
米東部時間 | 16時55分 |
ドルは円に対してほぼ変わらず。一時は0.1%高の143円47銭まで上げた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、ウィン・シン氏は「フィッチの格下げにあまり重点を置きたくないが、格下げはおそらく市場にリセットの口実を与えた」と指摘した。
INGの通貨ストラテジスト、フランチェスコ・ペソル氏は「高リスク通貨が犠牲となる格好で、ドルには逃避買いが入っている」と指摘。「これが長期的な影響を与えることはないとみており、市場の焦点はすぐにデータにシフトする」との見方を示した。
原油
ニューヨーク原油は続落。米在庫が過去最大幅で減少したことが明らかになったが、相場を押し上げるには至らず。市場ではマクロ経済見通しへの懸念で、最近の上昇にブレーキがかかっている。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=80ドルを割り込んで引けた。在庫急減を示したエネルギー省統計は、市場で一部無視されたも同然だとトレーダーらは話す。先週の米原油在庫は1705万バレル減少したが、調整要素が大きく振れたことが影響した。このため統計の正当性自体に疑問が浮上しており、原油相場は株式相場につれ安した。
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「在庫取り崩しが巨大な規模であることは否めないが、この先は大抵、季節的なモメンタムが幾分か失われるものだ」と話す。「マクロリスクに基づくトレーディングが再び勢いを取り戻し始めた。投資家はこの日の在庫データを材料に買いは入れなくても、向こう数カ月に予想される成長減速に備え、売る機会に利用しようとしている」と述べた。
金スポット価格(右軸)、米10年債利回り(左軸)
最近のデータは雇用市場に関して強弱混在の内容となっている。利上げが続けば、金はこれまでの上昇を消す恐れがある。
ADP民間雇用者、7月は32.4万人増-全エコノミスト予想上回る (2)
米求人件数は6月に減少、2021年以来の低水準-レイオフも抑制 (2)
ストーンX・グループの市場分析責任者、ローナ・オコネル氏は「市場は強気と弱気に二分されている」と指摘。金には長期的に一段高いレンジに上昇する「十分な支援材料」があるとして、ドルが弱含む可能性と経済の不確実性が今後高まることを指摘した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物12月限は前日比3.80ドル(0.2%)安い1オンス=1975.00ドルで取引を終えた。ニューヨーク時間午後2時27分現在のスポット価格は、0.4%安の1936.38ドル。
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