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概要:米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のトレーディング部門が市場シェア獲得に乗り遅れているように見えていた昨年序盤、同事業のトップがタウンホールミーティングでマイクを握った。
2023年8月25日 8:49 JST
BofAのトレーディングデスク、資本投入と人員増で地歩固める
急に勝負に出てきたように見えるとのライバル企業幹部の声も
ジム・デマーレ氏
Source: Bank of America
BofAは2008年の危機を乗り越え、数十億ドルの負債と損失の時代に突入して以来、緊張感に満ちている。 「サンダリング・ハード(Thundering herd=疾走する雄牛の群れ)」のロゴが有名なメリルリンチを買収したBofAは特に危険への警戒心が強い。
より多くの業務と利益を獲得するためにはリスクを積極的に受け入れることが必須条件であると考えるこの業界において、ブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は「責任ある成長」というモットーを採用し、同行は大きくなるために安全第一のアプローチを取ることができると株主と規制当局に約束している。何年もの間、この自制心は野心的なトレーダーたちを苦しめ、何人かを職場から去らせることになった。
数年前にグローバル・バンキング&マーケッツ部門の責任者だったトム・モンタグ氏が退社の準備を進める中、BofAはよりソフトな体制を整えた。デマーレ氏もその1人で、同僚からは繊細で控えめなトレーダーだと言われていた。
顧客からの取引注文が増えない理由を探るため、同社の営業チームとトレーディングチームは投資家に対し、パートナーとしてのBofAの重要度を尋ねた。同行経営陣は、どの事業分野でもトップ3に入ることを目標としているが、多くの顧客は同行を5位か6位に挙げた。この率直な回答によって、銀行内部での話し合いが活発になった。
「マクロトレーディング商品の多くやプライムブローカー部門など、もっとうまくいくはずだった全ての事業が、十分な資本がないために制約を受けていた」とデマーレ氏は語った。同氏のチームはもっと資本が必要であるとモイニハンCEOに訴え、説得することに成功した。
同時に採用活動も行った。2020年にはゴールドマン・サックス・グループのパートナーだったカルロス・フェルナンデスアラー氏を外為担当として迎え入れ、中南米などこれまであまり積極的でなかった地域でも重要な人材を採用した。22年半ばまでに、BofAの外為と新興市場のマクロデスクは30人以上増員された。
同行はまた、マーケットテクノロジーに磨きをかけようとしている。以前は電子取引プラットフォームの開発に注力していたが、最近ではより伝統的な 「ハイタッチ 」トレーディング(証券会社のセールストレーダーが電子的に受けた注文を自身の裁量の下で執行する方式)のためにシステムを補強し、顧客満足度を向上させようとしている。
デマーレ氏は「全体的にバランスの取れたビジネスになった」と語った。
保守主義
一つの疑問は、BofAのリスク選好度がどうなるかということだ。何年たっても、内部関係者の中には同行の保守主義がチャンスを逃し、思い切った賭けをしていないと不満を漏らす者もいる。
ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのアナリスト、ケン・ウスディン氏はBofAについて、「大きなスイングや外角球」を避けようとすると言う。
昨年、ウクライナで戦争が起こった時、モイニハンCEOと最高リスク責任者(CRO)のジェフリー・グリーナー氏は一部の競合他社がロシアに関連した取引でチャンスを狙おうとする投資家のためにその方法を提案する中、Bofaは手控えるように促した。その結果、同行は昨年4-6月(第2四半期)に市場シェアを一時的に落とした。
同行の考えは、大失策を避けることができれば安定したリターンを生み出し、最終的には自らに深刻なダメージを与えた競合他社よりも抜きん出ることができるというものだ。
バークレイズのアナリスト、ジェーソン・ゴールドバーグ氏はBofAについて「ボラティリティーが低く、リスク選好度が低い。同業他社が好調なときはアンダーパフォームしがちだが、不調なときはアウトパフォームする」と語った。
BofAは市場全体の悪化から完全に免れたわけではない。レバレッジドローンを引き受ける部門は一部を安値で売却しなければならず、利益を削った。しかし、トレーディングでは、レバレッジドローン・デスクは市場全体の取引量が減少しているにもかかわらず、ここ数年の価格変動をうまく乗り切り、利益を上げていると事情に詳しい関係者が述べている。
先月、デマーレ氏はユーロマネー誌が選ぶ今年の世界最優秀マーケットバンク賞を受けるためにロンドンを訪れた。ロンドンのオフィスで同僚たちが見かけた同氏はにこにこしていた。
その後、デマーレ氏は再び大勢の従業員を前に語ったが、この時は成功を祝うようなスピーチだったと出席者は話した。
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