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概要:2008年の金融危機を的確に予測したエコノミスト、ヌリエル・ルービニ氏は、経済が予想に反し下振れした場合、世界の株価は今年後半に最大10%下落し得るとの見方を示した。
経済が軟化しインフレ高止まりなら株価調整の可能性高い
6カ月前と比べると世界経済ハードランディングのリスクは後退
2008年の金融危機を的確に予測したエコノミスト、ヌリエル・ルービニ氏は、経済が予想に反し下振れした場合、世界の株価は今年後半に最大10%下落し得るとの見方を示した。
金利が間もなくピークに達するとの期待や、世界経済が予想以上に持ちこたえるとの楽観的な見方から今年前半に上昇した株式市場にとっては、突然の反転となる。米国では特に人工知能(AI)に関する熱狂を原動力にハイテク株が株高をけん引してきた。
ルービニ・マクロ・アソシエーツ会長兼最高経営責任者(CEO)の同氏は、イタリアのチェルノビオでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、欧州、米国、英国で高インフレが続き「世界的に景気が軟化し始めれば10%の調整は全くあり得ないことではない」と語った。
MSCIオール・カントリー・ワールド指数は年初来13%上昇。中国経済の健全性に対する懸念から8月には5.7%の下げ幅を記録したが、ここ2週間は反発に転じている。
しかし「世界経済がここから弱くなり、ハードランディングの可能性がまだ十分にあるのなら、恐らく今の相場は上昇し過ぎだろう。それが今年後半の調整につながる可能性は大きい」とルービニ氏は述べた。
同氏は昨年9月に米国と世界の「長くひどい」リセッション(景気後退)を予想し、それが2023年いっぱい続く可能性があるとの見方を示したが、現在は世界経済についてそれほど悲観的ではいない。
「世界経済がハードランディングする深刻なリスクがあった6カ月前と比べると、今はそのリスクは減少している。これは良いニュースだ。しかし、世界経済がソフトランディングを達成できるかどうかについては、まだ議論の余地があると思う」と同氏は語った。
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