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概要:米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は過去18カ月にわたり、米国人の借金と浪費の習慣を断ち切ろうと必死に取り組んできた。これはインフレとの闘いにとって極めて重要だ。
投資適格級企業は利上げ開始以降に純債務を5000億ドル以上増やした
借金は米企業の「コーポレートファイナンスの基本」-アルトマン氏
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は過去18カ月にわたり、米国人の借金と浪費の習慣を断ち切ろうと必死に取り組んできた。これはインフレとの闘いにとって極めて重要だ。
しかし、米企業の最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)には、このメッセージが伝わっていない。
11回もの利上げでコストが増した負債を返済する意欲がほとんどないだけでなく、多くの企業が業務の最新化や事業拡大、自社株買いの資金調達のために債券市場で借り入れ、帳簿上にさらに負債を積み上げている。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、2022年序盤に最初の利上げが行われて以来、ファイザーやメタ・プラットフォームズのような米経済をけん引する役割がますます大きくなっている大企業を含む投資適格級の企業は、純債務を5000億ドル(約74兆2000億円)以上増やした。投資適格未満のジャンク級格付けを付与されている財務が不安定な企業でさえ、22年に借り入れを減らした後、今年は再び増やしている。
ニューヨーク大学(NYU)スターン・スクール・オブ・ビジネスのエドワード・アルトマン名誉教授(金融学)によれば、これは、米政策金利が長期にわたってゼロ近辺に据え置かれていた20年の間に、借り入れた資金を使って事業を運営するというモデルがいかに米企業に定着したかを反映している。
米国債利回りの急上昇
現在バランスシートを管理している経営陣の多くは、この金融緩和時代にキャリアをスタートさせている。彼らにとって、これは「コーポレートファイナンスの基本」なのだとアルトマン氏は言う。
記者会見に臨むパウエルFRB議長(23年9月20日)
ウォール街では、連邦準備制度の利上げは実質的に終了したと言われているが、借り入れブームは、企業の熱を冷まし行動を抑制するためにパウエル議長が利上げを続けなければならない可能性を示唆している。あるいは、少なくとも予想より長く高金利を維持しなければならないかもしれない。
過去2週間の10年物米国債利回りの急上昇は、投資家がこの事実に目覚めつつある兆候だ。
もちろん、リスクはパウエル氏が行き過ぎた行動で景気を後退させることだ。そうなれば債務を多く積み上げた企業が、最も大きな痛みを感じることになる。
BIのデータによると、投資適格企業の財務健全性を示す指標は悪化し始めている。22年3月末から23年半ばにかけてレバレッジが上昇するにつれ、支払い能力を示す重要な指標であるインタレスト・カバレッジ・レシオが徐々に低下している。
信用力の低い企業にとっては、負担はさらに大きい。不動産や小売業など、投機的格付けの債券市場の一角で債務不履行が増加している。ブルームバーグがまとめたデータによると、少なくとも5000万ドルの負債を抱えて今年破産申請した150社以上の企業の中には、ベッド・バス・アンド・ビヨンドやパーティー・シティーといった有名企業も含まれている。
投資適格級でも
極めてまれなケースだが、投資適格級であっても企業の混乱は起こり得る。米地銀シリコンバレー銀行(SVB)は3月、金利急上昇が預金流出を引き起こし破綻した。
TDセキュリティーズのクレジット戦略担当マネジングディレクター、ハンス・ミケルセン氏は、過去10年間の借り入れ急増の極端さを考えると、通常は安全な市場の片隅に次のメルトダウンが潜んでいる可能性が高いとして、「爆発は起こるしかない」と指摘。長年の金融緩和政策は「極端なリスクテーク」につながったと語った。
米国の有名ブランドが破産、経済にとって何を意味するのか
過去1年半の企業の貪欲な借り入れは、ほとんど北米に限られた現象だ。BIのデータによると、欧州の投資適格級の借り手がこの間に追加した純債務額は1500億ドルとはるかに少なく、アジアでは純債務額は約700億ドル減少した。
確かに、米連邦準備制度は経済の一部のセクターにおける米国人の支出を抑制することに一定の成功を収めている。M&A(企業の合併・買収)に資金を提供するレバレッジドローン市場は減速し、住宅ローンやその他の消費者ローンも減少している。
しかし全体として、借金をしようという衝動はほとんど衰えていない。ここ数週間は長期債利回りの急上昇をきっかけに起債のペースが鈍化したが、それでも9月は発行市場が活況を呈した月の一つだった。企業は総額1240億ドルを調達した。
パウエル議長は先週、金利を使って人や企業の行動を変え経済を自分の望む方向に導くことの難しさを認めた。議長は講演で「われわれの目標の一つは、支出や投資の決定に影響を与えることだ。それは、私たちが何を言っているのか、そしてそれが自分たちの財務にとって何を意味するのかを人々が理解している場合にのみ可能になる」と語った。
つまり、当局はそのメッセージを人々に聞いてもらい、聞き入れてもらう必要があるのだ。
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