简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:実物資産に絡む債券価値を再評価する資産運用会社が増えている。鉄砲水や火災、暴風雨の頻度が急増し、従来の価格決定モデルが打撃を受けているからだ。
頻度が急増する異常気象、不動産クレジット市場に直接影響
気候リスクでソブリン債のミスプライス生じている-バークレイズ
実物資産に絡む債券価値を再評価する資産運用会社が増えている。鉄砲水や火災、暴風雨の頻度が急増し、従来の価格決定モデルが打撃を受けているからだ。
フェデレーテッド・ハーミーズのサステナブル債責任者ミッチ・レズニック氏は、同社が不動産クレジットを「アンダーウエート」としている主な理由な気候変動リスクだと言う。ニューバーガー・バーマン・グループのESG(環境・社会・企業統治)およびインパクト投資のグローバル責任者ジョナサン・ベイリー氏は、発行体が気候変動による影響への対処に十分な資本を有しているかどうかに一段と注目するようになっていると話す。
バークレイズのアナリストによれば、自然関連リスクはソブリン債市場全体でミスプライス(適正価格からかい離した状態)を引き起こしており、最終的には格下げの引き金になるとみる。
ベイリー氏はインタビューで、「よく似た2つの投資機会を気候変動という観点から見ると、物理的なリスク特性が大きく異なることがよくある」と指摘。物理的な気候変動リスクから身を守ることができる債券発行体は、長期的にはより良い投資先になる可能性が高いとの見方を示した。
信用格付け業界はまだ、気候変動リスクをどうモデルに組み込むのがベストなのかを見いだせていないことから、債券投資家は直面する新たな状況を乗り切るため、独自の評価に頼らざるを得ないのが現状だ。エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)によれば、債券投資家は環境リスクの有用な評価で信用格付けに頼ることはできていない。
IEEFAは最近の報告書で、大手格付け会社の内部で「数カ月前から警鐘が鳴らされている」と指摘。同研究所で債券市場を専門とするエネルギー・ファイナンス・アナリストのヘイゼル・イランゴ氏によれば、こうした内部の警告はほとんど聞き入れられていないという。
地球上の広い地域が異常な洪水や干ばつ、暴風雨、山火事に見舞われる中、そうしたリスクを徐々に格付けに反映させなければ、発行体は将来的に突如として大きな損失にさらされることになるとIEEFAは指摘した。
Heat Vaporizes September Record
Last month set the September temperature record by the highest-ever margin
Source: Zeke Hausfather
Temperatures represent the amount of warming above a 1850-1900 baseline. 1C=1.8F
バークレイズのアナリスト、マギー・オニール氏は、自然関連リスクが格下げの引き金となり対応が間に合わない債券投資家のポートフォリオ価値を下げる可能性を指摘する1人だ。また、ソブリン債が格下げとなれば借り入れコストの上昇につながり、最終的には「債券保有者にとって信用リスクを増幅させる」とオニール氏は9月のリポートで予測した。
ティー・ロウ・プライス・グループの責任投資調査ディレクター、マリア・ドリュー氏は、都市や政府が自然環境の脅威増大の影響に備える方法には大きなギャップがあると述べ、この点が「恐らく市場が十分に織り込んでいない大きな分野」になっていると分析。都市や政府は、こうしたリスクに対処するため、一層多くの投資を行う必要があると指摘した。
カリフォルニア州マリポサ郡の山火事(2022年7月23日)
Photographer: David Odisho/Bloomberg
ベイリー氏はニューバーガー・バーマンが現在、自然地理関連リスクに対する発行体のエクスポージャーに注目しており、リスクに適応するための資本支出の実施の有無なども見ていると話した。
同氏は、1回の異常気象では「おそらく違いは生じないだろう」が、時がたてば積み重なると指摘。地方自治体が熱波や洪水から資産を守るため時宜を得た対策を講じていない場合、「不動産評価や地方不動産からの税収に影響を与える」可能性が高いと述べた。さらに、「国家レベルでは、経済成長に影響を与える可能性があり、増税や債務履行の能力に影響を与えるだろう」と付け加えた。
レズニック氏によれば、フェデレーテッド・ハーミーズは物理的リスクを社内のESGスコアに組み込み、投資判断に反映させている。同社は気候変動リスクとガバナンスの懸念から不動産セクターを「アンダーウエート」としているという。
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。