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概要:レバレッジドファイナンス、つまり企業の合併・買収(M&A)の原動力となり、1兆3000億ドル(約195兆円)規模のローン担保証券(CLO)市場を潤す融資に携わる投資バンカーは、つかの間の喜びに浸っていた。
CLO発行体の約40%、今年まだ新規案件の価格を決定していない
大手米銀の購入持ち直しの兆し、ほとんどない
レバレッジドファイナンス、つまり企業の合併・買収(M&A)の原動力となり、1兆3000億ドル(約195兆円)規模のローン担保証券(CLO)市場を潤す融資に携わる投資バンカーは、つかの間の喜びに浸っていた。
企業のバリュエーションがM&Aに魅力的な低水準で、米連邦準備制度による積極的な利上げが終わろうとする中で、融資が実行されようとしていた。だがパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が、まだ追加利上げに動く用意があるのだと分かると、ウォール街の期待は一気に冷め、資金調達が再び停滞した。
低金利時代にはローンの一角を束ねて証券として販売するCLO業界にブームが到来。10年に及ぶ低金利期にバンカーはCLOをニッチな証券化ビジネスから資本市場の一つの柱に育て上げた。しかし今はM&Aが低迷しており、CLOの最大トランシェ部分に対する米大手商業銀行の需要も落ち込んでいる。
シティグループのデータによると、CLO発行体の約40%が今年まだ新規案件の価格を決定していない。フェデレーテッド・ハーミーズの投資家、アンドルー・レノックス氏は「CLO市場はしばらく混乱している」と語る。
Sales of CLOs Plunge
Appetite for CLOs decreased after 2021 boom
Source: Bloomberg News
2023 data is as of Oct. 20
インベストメントバンカーの嘆きというだけの話ではない。CLO発行の低迷が続けば、既発CLOの期間延長に絡み実体経済にも影響が及ぶ。銀行など一般的な金融機関は融資に消極的で、低格付け企業の借り換えが一段と厳しくなる。
「CLO組成の減少はレバレッジドローン需要の減少につながる」とクレセント・キャピタルのポートフォリオマネージャー、ウェイン・ホサング氏は話す。今後3年間に返済期限を迎えるレバレッジドローンは約5000億ドルに上り、CLOは米企業ローン市場の約70%を占めている。欧州ではそれ以上だ。
パウエルFRB議長
Photographer: Bess Adler/Bloomberg
アレス・マネジメントの米流動性クレジット担当ポートフォリオマネージャー、ダン・ヘイワード氏によれば、銀行の投資意欲が戻り始めており、レバレッジドローン市場はオープンであるものの、その対象は「より質の高い発行体」だ。CLOはほとんどが高リスクの融資で構成されている。
金融危機以前
需要減少により既発証券の借り換えが困難になっていることから、多くのCLO運用会社も苦しんでいる。以前のブーム時には、投資家は既存のCLOを「リセット」し、返済が将来に先送りされることを望んでいた。つまり、永久資本への道だ。だが、今の新たな傾向はCLOのコール(期限前償還)で、かつての真逆だ。
チェナバリ・インベストメント・マネジャーズの債券シニアトレーダー、 サイモン・ゴールド氏は「CLOをコールするのが当たり前だった金融危機以前と同じような状況になり始めるかもしれない」と予想。 「2008年以降、運用会社はCLOの期限を延ばし、低金利環境を利用するためリセットを増やした。だが、今はそれほど簡単な道ではない」と言う。
ブルームバーグがまとめたデータによると、米国での今年これまでの新規発行・借り換えの総額は約1020億ドルと、昨年の同じ時期(約1340億ドル)から減った。買収ブームの最盛期だった21年は3500億ドル近かった。
CLOはトランシェに分割されており、シニア部分が投資適格と評価され、その下のメザニン部分とエクイティー部分が最もリスクの高い層を構成する。
「AAA」格付けのシニア部分の主な買い手は、JPモルガン・チェースやシティ、 ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)だが、こうした銀行は購入をやめたか、購入を大きく減らしている。米国の新たな資本規制やシリコンバレー銀行破綻、クレディ・スイス救済合併が響き、すぐに持ち直す兆しはほとんどない。
JPモルガンとシティ、ウェルズ・ファーゴ、BofAの担当者はコメントを控えた。
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