閉鎖のソーシャルメディアＩＲＬ創業者、ソフトバンク投資部門を提訴

2023年11月16日 11:36 JST

ソフトバンクなどがサイトを不当に閉鎖－共同創業者のシャフィ氏

• 調査でユーザー数に疑義が生じた後にＩＲＬは閉鎖された

閉鎖されたソーシャルメディア新興企業ＩＲＬの共同創業者が、同社の取締役らと複数の投資部門を相手取り、自分たちの評判を守るために不当に同社の閉鎖を急いだとして訴えを起こした。

ＩＲＬ（イン・リアル・ライフ）は、取締役会の調査により、ロボットアカウントが顧客基盤の95％を占めていたことが判明し、６月に閉鎖された。裁判所に提出された書類によると、取締役らはソフトバンクグループの複数の投資部門や、かつて11億ドル（現在のレートで約1660億円）と評価されていたＩＲＬへの他の投資家たちを代表していた。

ＩＲＬの共同創業者で元最高経営責任者（ＣＥＯ）のアブラハム・シャフィ氏は、デラウェア州衡平法裁判所に15日に提起した訴状で、グループチャットアプリの人間の利用者が少ないというコンサルティング会社の調査結果と矛盾する証拠を取締役らが持っていたと主張している。シャフィ氏は、同氏をＣＥＯから解任した取締役会が、同氏に責任を負わせるためにサイト閉鎖の理由についてうそをつき、ベンチャーキャピタル界における自分たちの評判を守ったと主張している。

「数年にわたり計２億ドル近くを投資してきた投資家たちが、なぜこのようなひどく有害なうそを広め、4000万ドルの現金が手元にある企業の急な閉鎖を正当化するためにそれを利用したのだろうか」。シャフィ氏は訴状でこう問い掛け、「彼らはスケープゴートを必要としていた」と説明している。

ＩＲＬの元取締役であるソフトバンクＧのＳＢインベストメント・アドバイザーズのセリーナ・ダヤル氏、グッドウォーター・キャピタルのチーホア・チエン氏、フラッドゲート・ファンドのマイク・メープルズ氏に対し、この訴訟についてコメントを求める電子メールを送付したが、回答は得られていない。東京に本社を置くソフトバンクＧの広報担当者はコメントを控えた。

ソフトバンクＧのビジョン・ファンド２は2021年にＩＲＬの１億7000万ドル規模の資金調達ラウンドを主導していた。