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概要:米労働省が6日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比94万3000人増加した。前月の93万8000人に続く伸びとなり、サービス業の労働需要が高まる中、米経済が力強い勢いを保ったまま下半期に入ったことが確認された。
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比94万3000人増加した。前月の93万8000人に続く伸びとなり、サービス業の労働需要が高まる中、米経済が力強い勢いを保ったまま下半期に入ったことが確認された。
米労働省が6日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比94万3000人増加した。前月の93万8000人に続く伸びとなり、サービス業の労働需要が高まる中、米経済が力強い勢いを保ったまま下半期に入ったことが確認された。フロリダ州マイアミで5月撮影。(2021年 ロイター/Marco Bello)
市場予想は87万人増。ただ予想レンジは35万─160万人増と幅広かった。雇用者数は現在、2020年2月のピークを570万人下回っている。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「強い繰越需要(ペントアップデマンド)が見られる中、労働集約型のサービス部門の雇用増が続いている。労働市場は健全な状態で第3・四半期に入った」と述べた。
学校が夏季休暇に入る7月は例年、教育関連の雇用が100万人程度減少するが、今年はパンデミック(世界的大流行)に伴う混乱が一段落したことでサマースクールに参加する学生が多く、政府がデータから季節的変動を取り除くために使用しているモデルに狂いが生じ、雇用者数の増加につながった可能性がある。
7月は政府部門の雇用者数が24万人増加。州・地方政府の教育関連が22万1000人増となった。雇用統計をまとめている労働省の労働統計局(BLS)は「教育分野におけるパンデミック関連の人員変動が通常の季節的な増員・解雇パターンを歪め、7月の雇用増に寄与している可能性が高い」とした。
レジャー・サービス業部門は38万人増加。レストラン・バーの雇用が25万3000人増加した。また、専門職・企業サービス、運輸・倉庫、ヘルスケアなども増加。製造業では2万7000人、建設業では1万1000人それぞれ増加した。
失業率は5.4%と、前月の5.9%から低下し、2020年3月以来1年4カ月ぶりの低水準となった。生産活動に従事し得る年齢の人口に占める働く意志を表明している人の割合、いわゆる労働参加率は61.7%。6月は61.6%だった。
ただ、失業率は新型コロナウイルス禍で発生した「雇用されているが休職中」の人の扱いがかく乱要因となっており、こうした要因を除いた場合の失業率は5.7%となった。
雇用統計を受け、米国株は大幅高。ドルは複数の通貨に対して上昇し、米債価格は下落(利回りは上昇)した。
<賃金の上昇>
アバディーン・スタンダード・インベストメンツのチーフエコノミスト代理、ジェームズ・マカン氏は「今後2─3カ月で(労働市場の)力強い数値が発表されれば、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)に関する事前発表にゴーサインが出る可能性は高い」との見方を示す。
一方、新型コロナ変異株「デルタ」による感染拡大がリスクだ。人口の約半数がワクチン接種を完了しているため経済活動への大きな影響はないとみられているが、感染が拡大すれば雇用の妨げになる可能性がある。
労働者不足により、雇用主は引き続き賃金を引き上げており、7月の時間当たり平均賃金の伸びは前月比で0.4%。低賃金の業界がけん引し、6月と同水準の伸びだった。前年同月比の伸びは4.0%と6月の3.7%から加速した。
労働者不足は学校が再開する秋には緩和すると見込まれているが、一部のエコノミストは楽観視していない。高い技術を必要としない求人が多い一方、そのような求人に応募する人が少ないためだ。
エムシ・バーニング・グラスの労働市場担当シニアエコノミスト、ロン・へトリック氏は「求人の約3分の2が大学の学位を必要としない仕事であることが現在抱えている最大の問題の一つだ」と指摘。「大学の学位を必要としない求人は約600万件あるが、大学の学位を持たない失業者は340万人しかいない」と述べた。
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