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概要:伸びが鈍化した7月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレを一時的とするパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の主張を裏付けた。それでも、現在の景況感や不動産価格の騰勢に照らせば、FRBが金融政策の正常化へと進む方針に変わりはないだろう。
[13日 ロイター] - 伸びが鈍化した7月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレを一時的とするパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の主張を裏付けた。それでも、現在の景況感や不動産価格の騰勢に照らせば、FRBが金融政策の正常化へと進む方針に変わりはないだろう。
伸びが鈍化した7月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレを一時的とするパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の主張を裏付けた。それでも、現在の景況感や不動産価格の騰勢に照らせば、FRBが金融政策の正常化へと進む方針に変わりはないだろう。写真は米ドル紙幣。2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)
7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、今後、複数回の会合で金融政策のゴールに対する経済の進ちょく(Progress)」を評価するとした。また、決定に際して事前の周知徹底を図ることも約束している。
さらに、来年2月にはパウエル議長の任期を迎える。再任される可能性もあるが、それが確定していない以上、政策の道筋をつけてから後任に託す歴代議長の不文律にパウエル議長も従うだろう。
これらを踏まえると、9月21─22日と11月2─3日のFOMCにおいて進ちょく度合いを評価し、その上で12月のFOMCで量的緩和の段階的縮小(テーパリング)の開始を決定して、年明け1月に着手するシナリオが現実的だ。もちろん、デルタ株の感染拡大の影響や連邦政府の債務上限問題の帰すうなど不確定要素が残る点には留意を要する。
<金融政策の正常化は、ドル高要因か>
為替市場では、米国の金融政策の正常化を見据えたドル高期待が根強い。ドル/円についても、日米金利差の拡大がドル高・円安を招くとみられている。ただ、筆者はこうしたコンセンサスに対し、極めて懐疑的な立場だ。以下で、その背景をみていこう。
はじめに、為替相場と金利差の相関はそれほど高くない。例えば、ユーロが誕生した1999年以降のドル指数(主要6通貨に対するドルの名目実効相場)と名目の長期金利差(ドル金利からドル指数と同じ比率で算出した海外金利を差し引いた値)の相関係数は、プラス0.4台に過ぎない。利上げ観測の台頭により、ドルが割高な水準へ浮上したとみられる2014年半ば以降に絞ると、プラスの符合ながら相関係数の絶対値は0.2を下回る。
この結果は、2年物の国債利回りやインフレ格差を勘案した実質金利差に置き換えても大差ない。このことから、過去のデータで振り返る限り、金利差の拡大がドル高を招くとは言い難い。
<金利差でカバーできない為替リスク>
そもそも現在の日米金利差は、長期金利でみても1%台前半に過ぎない。一方、ドル/円の1年物インプライドボラティリティは約6%だ。これは為替市場が、約68%の確率で向こう1年の間に今の水準からドル/円が上下にそれぞれ約6%動くと予想していることを表す。
金利差は、為替差損を吸収するクッションの役割を果たすが、現在の金利差は為替相場の変動から生じ得る損失を吸収できる水準には程遠く、これは金利差が拡大したところで大きくは変わらない。
実際、為替そのものに賭ける投資家を除き、多くの場合、ドル建て資産に投資する場合、為替ヘッジ付きが選好され、ドル買いは起こらない。確かに金利差の拡大がドル高期待を高めれば、実際のドル買いを通じ、自己実現的にドル高を招くことは往々にしてある。ただ、そうしたドル高は、いずれ損益を確定するためのドル売りによって解消されるため、持続的な動きにはつながりにくいのだろう。
<乏しいドルの続伸余地>
加えて、ドル高の程度や持続性、金利への感応度は、ドルのバリュー(水準)にも強く依存するとみられる。その点、足元で現在、拡大傾向をたどる米国の貿易赤字は、米国の好況とともにドルが割高であることを示唆している。強いドルが米国の購買力を高め、それが輸入増につながっている側面もあるためだ。
実際、世界的な経常収支不均衡の拡大を監視する国際通貨基金(IMF)の年次レポート(External Sector Report)は、その最新版で昨年のドルが実質実効相場でみて5.2─11.2%も過大評価されていたと指摘している。ドルが割高である限り、羅針盤としての「金利差」の精度は低いだろう。2014年の半ば以降、大幅にドル高が進んだのは、金利の先高観がきっかけとなったにせよ、割安圏にあったドルに強い水準調整が生じたためとみるのが妥当だ。
しばらくの間、米国の金融政策の正常化といったテーマが、漠然としたドル高期待を演出し続けると予想するよう。ただ、割高圏にあるドルの上値は、これからも重いはずだ。過去のすう勢に従えば、ドル金利の上昇は緩やかかつ上昇幅もそれほど大きくないだろう。これは、金利差とは全く異なる視点からみて、国内で不足する資金のファイナンスを海外マネーに依存する米国のドルが、年末に向けて緩やかな下落に転じる可能性を示唆している。
<円は「デフレ=円高」に注意>
一方、円にも変化の兆しが表れている。今年の上半期に、多くの通貨に対して大幅に減価したが、6月中旬を境にそうした動きは一変。その後の2カ月間でみると円は、主要10通貨の最上位に浮上している。実際、多くのクロス円が、この間に下落した。
一般的に、景況感と通貨の方向性は連動することが多いため、新型コロナウイルスの感染拡大を円安見通しに結びつける解釈が少なくない。ただ、金融危機後のデフレ進行とともに進んだ円高は、円相場が実質金利(名目金利-インフレ期待)に強く反応する性質を表している。
現在、世界的にみてインフレ高進懸念は和らぎ、年初からの「リフレ=円安」の流れは止まった。国内物価の伸びはもとより鈍く、実質実効相場でみて6年ぶりの安値圏にある円が、このまま自律的に持ち直す可能性は高いだろう。
以上を踏まえると、ドル/円についても、年初来の高値111.66円を上抜けして続伸することは非常に難しそうだ。むしろ、経済活動の正常化に伴うスタートダッシュを終えれば、米経済の改善ペースも鈍化するとみられ、ドル高期待も和らぎそうだ。
そこに円の持ち直しが加われば、ドル/円は年末までに最大で105円、少なくとも年初からの値幅の半値押しに相当する107円程度まで下落する可能性が高いとみている。
*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。
*内田稔氏は、三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチのチーフアナリスト。慶應義塾大学卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。2012年より現職。J-money誌の東京外国為替市場調査で2013年より8年連続個人ランキング1位、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、経済学修士(京都産業大学)、証券アナリストジャーナル編集委員。
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