ブラックストーン、運用資産１兆ドル目前ーＰＥ業界で未踏の金字塔

シュワルツマン氏率いるブラックストーン、資産は過去５年で約倍増

オルタナティブ投資の巨人、出資先企業は約250社

米投資会社ブラックストーンが運用資産１兆ドル（約140兆円）突破という金字塔を打ち立てようとしている。プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）ファンド業界では未踏の領域だ。

アナリストによると、同社が四半期決算を発表する20日にその到達の可否が明らかになる見通しだ。1985年に創業した当時の資産規模はわずか40万ドルで、近年最も劇的な成長を遂げた企業の一つだろう。

ＰＥファンド業界の台頭は目覚ましく、米経済における活躍の場は広く拡大している。中でもブラックストーンはバイアウトのルーツを超えてあらゆる領域に進出し、業界トップの座に上り詰めた。株・債券以外の多岐にわたる金融商品を手がけ、ＰＥ業界によるオルタナティブ投資へのシフトを主導。これが爆発的な成長のエンジンとなり、資産は過去５年におよそ倍増した。

ブラックストーンの共同創業者で最高経営責任者（ＣＥＯ）のスティーブ・シュワルツマン氏は今年、「われわれは一つのＰＥファンドから出発した」とし、「今では60の異なる事業を展開している」と述べている。

ブラックストーンのマイルストーン達成は新たな時代の到来を告げる。ディールブームと緩和マネーの時代に成長してきた企業は、ここにきて金利上昇や競争激化、社会からの厳しい視線に直面している。

また一戸建て住宅から食肉加工工場の清掃まで幅広い領域に進出しているブラックストーンに対しては、規制当局や議員からの注目も高まっている。同社が支援する企業は約250社に上る。足元では上場せず非公開にとどまる企業が増えており、ブラックストーンもその社会的影響を巡る議論の中心に上ることになりそうだ。